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来月16日からの確定申告に向けて領収書の整理を始めた方も多かろう。個人事業者には気が引き締まるシーズンである。一方、税務署内では「地獄の確申期」とも呼ぶようだ。とりわけ今年は現場職員への風当たりが強まるに違いない

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理由は就任から半年たっても表に出ない佐川宣寿国税庁長官である。早めの手続きを呼び掛ける各税務署のPRイベントも本格化したというのに、納税をお願いする立場のトップが何も訴えようとしない。恒例の就任会見もないまま、取材を拒み続ける

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森友学園に格安で国有地を売却した所管の理財局長として、木で鼻をくくったような国会答弁が印象的だった。「資料は破棄した」「面会記録はない」「価格は合理的に見積もった」と繰り返し、再調査を拒絶した。結局、会計検査院から、ずさんな算定だったと指摘されている

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現場の迷惑はご本人も承知のようだ。職員労組の機関紙には、昨秋の交渉で「納税者から意見があることも承知している。特に年明け以降、ご苦労をおかけする」と述べたとある。それでも引きこもるのは、人事権を握る官邸の意向を忖度(そんたく)してのことか

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きのうの国会質問で再び更迭を要求する野党に対し安倍首相は「適材適所の人事」と突っぱねている。納税者の気持ちを逆なでするのが適材適所か。国民ではなく首相にとっての、と考えればうなずける。現場には気の毒だが、「資料は破棄した」と皮肉を言いたくなる納税者は多そうだ。

(1月27日)

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