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「松本でテロ」想定 国・県・市が10年ぶり「図上訓練」

県内で10年ぶりに行われた国民保護法に基づく図上訓練=26日、松本市役所県内で10年ぶりに行われた国民保護法に基づく図上訓練=26日、松本市役所
 国と県、松本市は26日、国民保護法に基づく「図上訓練」を県庁と松本市役所で行った。図上訓練実施は2008年以来、10年ぶり。警察や消防、自衛隊なども含めて両会場で計230人が参加し、有事の初動態勢を確認した。一方、住民の不安をいたずらにあおるとして訓練の中止を求めていた市民団体からは落胆の声が上がった。

 国際テロ組織が松本平広域公園の総合球技場(アルウィン)とやまびこドームを爆破、武装したテロリストが人質を取って松本市内の公民館に立てこもった―との想定。訓練参加者は事前に詳細を知らされず、次々に寄せられる情報を基に、他機関への連絡や必要な医療態勢などを考えた。

 松本市役所では参加者が「情報班」や「対策班」などに分かれ、ホワイトボードに情報を書き込んで他の班と共有したり、地図を広げて住民の避難場所などを確認したりした。菅谷昭市長がテレビ会議を通じて県に物資や人的支援を要請。県庁でも各部局の防災担当者が情報収集などに当たった。

 県庁の訓練を見学した総務省消防庁の大塚大輔・国民保護室長は、東京五輪やラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会に触れ、「テロ対策を強化する必要がある」と強調。県に「一定の頻度で訓練を続けてほしい」と求めた。県危機管理部は取材に、住民を交えた「実動訓練」を含めた今後の訓練について「今回の課題を踏まえた上で考えていく」とした。

 昨年末に県に訓練中止を求めた県護憲連合の村山智彦代表委員は、「テロを起こさせない環境をつくるのが国の役目」とし、訓練は不要だと指摘。県憲法会議の山口光昭代表委員は「県民や市民に危機感を植え付ける訓練で、必要性がない」と批判した。

 国民保護法は有事における国、都道府県、市町村の責務や、国民の協力などを規定。同法に基づく共同訓練は国と都道府県、警察、消防などの連携強化や、国民の理解促進が狙いとされる。

(1月27日)

長野県のニュース(1月27日)