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鶏の尾羽がそれ自体命を宿しているようにうねる。アクリル絵の具を重ねた筆遣いが繊細だ。県若槻養護学校中学部3年田中愛美さんの絵画「尾羽」。見開いた目は、ファンという江戸時代の絵師伊藤若冲の鶏図にも負けないほど鋭い

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ギャラリープラザ長野(長野市新田町)で開催中の「上野(うわの)の森の小さな芸術家たち展」。会場に入りまず引き寄せられたのがこの絵だ。上野地区にある同校の児童生徒が図工や美術の時間に制作した絵画や立体作品が並ぶ。15回を数える恒例の展覧会だ

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病気や障害がある子どもたちが、隣接する国立病院機構東長野病院で医療を受けながら学んでいる。小学部、中学部、高等部、そして重度重複障害で入院している9人の病床を教師が巡って教える「のぞみ部」がある。その一人、高2の中村あゆさんの作品を前にしてたたずんだ

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「プラネタリウム」という絵画である。真っ暗な夜空に太く白い天の川がうねっている。ローラーで描いたという。淡く浮かぶ街並みは染めた和紙をちぎって貼り付けた。校外学習で出掛けたプラネタリウム。満天の星空に包まれた感動が伝わってくる

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天使が主人公の連作漫画のコーナーもある。中学部3年森山まひるさんの作品。全13話の巻末に感謝の言葉を記した。〈やっと私は新しい道にすすめそうです〉。会場のどの作品も語りかけてくるようだ。力いっぱい生きている私を見て、と。入場無料。30日まで。多くの人に見てほしい。

(1月28日)

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