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〈あぶないものばかり持ちたがる子の手から次次にものをとり上げてふつと寂し〉。歌人五島美代子(1898〜1978年)の育児期の一首。幼児は何でも口に入れてしまう。「だめだめ」と取り上げるばかりだったのは皆同じだろう

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佐佐木信綱に師事し、家庭を題材に母の情愛を切々と詠み続けた。〈自分で破つた障子の穴からのぞきこむ子の黒い瞳(め)についゆきあたる〉。じっとしていない長女を目で追いながらの家事のひとこまか。今も暖房器具を使う冬はとりわけ目が離せない

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堺市の住宅で起きた事故も子どもがやりそうないたずらだった。5歳の男児がドラム式洗濯機に閉じ込められ亡くなっている。3年前も東京都で同様の事故があったという。危険防止の呼び掛けが徹底していなかったのではないか。このときも内側からふたが開かず窒息死だった

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事故後、各メーカーは内側から開く機能を付けたり、電源を切っても開かないチャイルドロックの使用を呼び掛けたりした。説明書でチェックしたい。旧式なら両側にフックを貼り付けてゴムバンドをかけ、ふたを開かないようにするのも効果的という

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幼児のいる家庭ではテーブルクロスは使わない、ボタン電池は手の届かない所に―。消費者庁のハンドブックにある注意点の一部だ。気苦労もわが子の笑顔が吹き飛ばしてくれる。五島美代子歌集「そらなり」から。〈せい一杯両手をのばして抱かれようとする子は日に向ふ草花のやうに〉

(1月30日)

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