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妻籠宿 愛し続けて50年 住民組織 活動まとめ冊子に

妻籠を愛する会が発足50周年を記念して発行した記念誌(右)と瓦版集妻籠を愛する会が発足50周年を記念して発行した記念誌(右)と瓦版集
 全国に先駆けて町並み保存運動に取り組み始めた木曽郡南木曽町妻籠の住民組織「妻籠を愛する会」が、発足から50年を迎えるのを機に、これまでの歩みをまとめた記念誌を発行した。農民らの装束を着て妻籠宿を練り歩く催し「文化文政風俗絵巻之行列」の時に配る瓦版の50年分と、その解説文を収めた「瓦版集」も完成。今後、妻籠地区に全戸配布するほか、2月3日に開く記念式典で来賓などにも渡す。

 妻籠宿の保存運動は、過疎化が進み始めた1960年代半ばごろからスタート。68(昭和43)年に県の事業として保存工事が始まり、同年9月に会が発足した。

 70年に電柱を移転し、翌年に土地や建物を「売らない」「貸さない」「こわさない」を三原則とする住民憲章を制定した。76年に文化庁から重要伝統的建造物群保存地区に選定された。2008年には信毎賞を受賞。現在は公益財団法人になっている。

 記念誌には、これらをまとめた年表のほか、保存運動に当初から関わった同会の小林俊彦理事長(88)ら4人による対談を収録。宿場内の保存活動前後の写真や、妻籠宿と馬籠宿(岐阜県中津川市)の間にある馬籠峠を歩いて越える人の推移、77年から続けている冬季大学の演題などについても紹介している。

 瓦版は当初から、妻籠地区に住む元町職員の藤原宗三さん(77)が担当し、途中から江戸時代の字体をまねたり、風刺を盛り込んだりするようになった。記念誌はA4判の110ページで千部、瓦版集はB4判の208ページで800部作った。

 編集委員の1人で、同会常務理事の藤原義則さん(69)は「力作ができたと思う。これを機に、過去を知り、将来につなげるようにしたい。少子高齢社会をどう乗り越えられるかがこれからの課題」と話している。

(1月30日)

長野県のニュース(1月30日)