長野県のニュース

森友学園問題 全ての情報を開示せよ

 森友学園への国有地売却を巡り、新たな事実が相次いで明らかになっている。疑問は膨らむばかりだ。政府は事実関係をはっきりさせる責任がある。

 財務省の理財局長が、売却交渉に関する内部文書が既に判明しているもの以外にも存在すると国会で明かした。売却に問題がないか検討した文書だとしている。内容を確認した上で早期に開示する意向を示した。

 財務省は1月、文書5件を開示していた。上脇博之神戸学院大教授による情報公開請求を受けてのことだ。近畿財務局の売却担当者が法務担当者に対応を相談した際の記録である。

 2016年3月の文書には、学園側が地中から見つかったごみの処理で開校が遅れる恐れがあるとして「安価に買い受けることで問題解決を図りたい」と要請したことが記されている。「無理であれば、事業を中止して損害賠償請求せざるを得ない」とも主張した。

 売買金額について学園側と「できる限り事前調整に努める」と記した文書もある。

 約8億円の値引きはどんな経緯で決まったのか。財務省は国会で交渉記録を「全て廃棄した」としてきた。学園との事前の価格交渉は否定している。

 新たな文書はこれまでの国会答弁に疑念を抱かせる。「内部の検討資料で交渉記録ではない」とする財務省の説明は不誠実だ。納得することはできない。

 1月に開示した文書を会計検査院に提出したのは、検査結果報告を公表する前日だった。報告に反映されず、不十分な形で終わっている。情報公開に消極的な財務省の姿勢を感じさせる。

 今回存在を明らかにした文書を速やかに開示するのは当然だ。加えて、他にも記録が残っていないか確かめる必要がある。第三者による調査を含め、徹底的に洗い直さなくてはならない。

 新たな音声データも取り上げられた。学園の理事長だった籠池泰典氏らと国側のやりとりを記録したものとされる。

 財務省に直談判した後、安倍晋三首相の昭恵夫人から「どうなりましたか」と交渉の進み具合を尋ねる電話があったと籠池氏が発言している。首相はそうした事実はないと否定した。

 野党は、記録を「廃棄した」と繰り返した前理財局長らの国会招致を要求しているものの、与党は取り合おうとしない。国民の財産に関わる問題だ。関係者を呼んで説明を求めるべきである。

(2月3日)

最近の社説