長野県のニュース

斜面

調べものに手間取って遅くなった帰り道。夜空を見上げると、月はもう赤っぽく染まっていた。先日の皆既月食である。中天高く、皆既状態は1時間余りも続いた。眺めていて飽きない。時折揺れ動くように見えたのは薄雲のいたずらか

   ◆

見逃した人もがっかりしなくていい。今年は天体観察の当たり年。7月末に次の機会がある。ただ、皆既は明け方。早起きする気合が要りそうだ。同じころ、火星は十数年ぶりに地球に大接近する。ひときわ輝きを増した星を夏の夜空に見つけたい

   ◆

地球と月の関係は驚きに満ちている。地球の大気から漏れ出した酸素が月まで届いていることを最近知った。月を周回した探査機「かぐや」の観測データから大阪大などの研究グループが突きとめた。はるばる運ばれた酸素は土にも入り込んで影響を及ぼしている可能性があるという

   ◆

地球から最も近い天体とはいえ、38万キロも離れたところに月はある。まだ謎だらけだ。そもそも、原始地球にぶつかった天体の破片が寄り集まってできたようだが、1回の巨大衝突によるのか、小天体が衝突を繰り返した末なのか。はっきりしない

   ◆

その月へ、探査計画がめじろ押しだ。アポロ以来の有人探査に乗り出す米国。そして中国、インド…。日本も無人機の着陸を目指す。一方では米企業が月周遊の有人宇宙船を送り出すという。謎の解明に期待しつつ、夜空に浮かぶ月を眺めて抱く感懐も変わっていくのだろうかと思わされる。

(2月6日)

最近の斜面