長野県のニュース

斜面

朝鮮半島を描いた「統一旗」を先頭に韓国と北朝鮮の選手が入場すると開会式会場に大歓声が響いた。合同行進はシドニー五輪から始まったものの関係悪化で中断、11年ぶりの復活である。両国の男女で旗手を務める原則も生きていた

   ◆

人気ドラマ「冬のソナタ」のロケ地として知られる平昌(ピョンチャン)は軍事境界線に近い“分断の地”にある。15年前、最初の招致で先頭に立ったのが融和政策に熱心な盧(ノ)武鉉(ムヒョン)大統領だった。「世界の人々が南北平和の仲介者になる祭典にできる」とアピールした

   ◆

当時、側近として政権を支えた文在寅(ムンジェイン)大統領は、その志を受け継ぐ。二人は人権派弁護士として事務所を開き、強権政治と闘った同志だ。盧氏は大統領退任後、不正資金疑惑の渦中で自殺した。理想は高くとも力が足りず現実の壁を越えられなかった―。文大統領はそう総括した

   ◆

世界の若者らが国や人種に関係なく競い合う「平和の祭典」に政治色は似合わない。けれど国際政治に揺さぶられたのが歴史でもある。国家にとって対外宣伝や国威発揚の手段としての意味は大きい。今度も北朝鮮の政治ショーとなる心配がつきまとう

   ◆

去年、盧氏の追悼式で「再び失敗はしない。成功した大統領になる」と決意を語った文大統領。だが、核・ミサイル開発をやめず、軍事パレードで力を誇示しながら五輪で対話姿勢を演出する北朝鮮は一枚も二枚も上手に見える。南北平和につなげるという出発点の夢に近づけるだろうか。

(2月10日)

最近の斜面