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下諏訪の酒「御湖鶴」復活へ 福島の会社がブランド引き継ぎ

福島県の運送会社が経営を引き継ぐ見通しになった菱友醸造の酒蔵=下諏訪町福島県の運送会社が経営を引き継ぐ見通しになった菱友醸造の酒蔵=下諏訪町
 昨年4月に事業を停止し、破産手続きを進めている諏訪郡下諏訪町の酒造会社「菱友(ひしとも)醸造」の土地や設備などを、福島県いわき市の運送会社「磐栄運送」が買い取って再生に乗り出すことが9日、関係者への取材で分かった。菱友醸造は同町唯一の酒蔵で、「御湖鶴(みこつる)」ブランドで日本酒を製造、販売していた。磐栄運送は近く、酒の製造、販売の免許を受ける見通しで、御湖鶴ブランドを引き継ぐとしている。

 磐栄運送は1961(昭和36)年設立で、本体の従業員は約230人。2011年の東日本大震災後、経営の多角化を進めるため合併・買収を積極化し、太陽光発電事業や野菜工場事業、稲作なども手掛ける。17年6月期のグループの売上高は約135億円。

 酒造り再開のために菱友醸造の元従業員を中心に採用を進めており、18年内の製造、販売を目指している。農産物の生産、加工から販売までを手掛ける農業の「6次産業化」にも取り組みたいとしており、菱友醸造の施設を改装し、試飲・食事や酒蔵見学ができるようにする構想もある。

 磐栄運送の太田丈人・経営企画部取締役部長は「地域に愛される御湖鶴を復活させ、高品質の酒造りをしたい。雇用や観光面で地元に貢献したい」と話している。

 帝国データバンク松本支店によると、菱友醸造は1912(大正元)年創業、18年設立。「御湖鶴」を中心に酒類の製造、販売を手掛けた。近年は酒米づくりや輸出にも力を入れたが、国内市場の縮小などで業績が低迷、破綻した。破産管財人によると、負債総額は約2億7千万円。

(2月10日)

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