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志賀高原のホテル浴室から5人搬送 高濃度の硫化水素

 9日午後2時43分ごろ、下高井郡山ノ内町志賀高原の「志賀高原ホテル一望閣」の男性浴室で人が倒れていると119番通報があった。岳南広域消防本部(中野市)などによると、浴室には高濃度の硫化水素が充満し、いずれもホテルが契約しているスキースクールのインストラクターで30〜60代の男性5人を中野市と長野市の病院に搬送した。命に別条はないという。中野署が原因を調べている。

 同署によると、入浴中の男性2人が浴室内で裸で倒れているのが見つかり、救助のため浴室内に入った別の3人が体調不良を訴えた。同本部によると、60代の男性1人が中等症、ほかの4人は軽症。ホテルによると、当時、宿泊客は滞在していなかった。

 県薬事管理課やホテルによると、浴室の換気扇に不具合があった可能性がある。消防隊員が現場に駆け付けた際に計測した浴室の硫化水素濃度は120ppm。環境省の温泉施設の構造に関する基準は「硫化水素濃度は浴槽の湯面から上方10センチで上限20ppm」などと定めており、これを大きく上回っていた可能性がある。

 県北信保健所(飯山市)によると、2016年12月に実施したホテルの立ち入り検査で、硫化水素濃度が浴槽の上方10センチで男湯40ppm、女湯29ppmを計測し、ともに環境省の基準を超えた。同保健所は、源泉から浴室までの間でガスを抜くよう施設構造の改善と、十分な換気を指導した。ホテルは17年に浴室の換気扇を交換していたという。

 硫化水素は火山ガスの一種で、温度や地下の状態などによって濃度が変化する。県薬事管理課によると、濃度100〜300ppmのガスを吸い込んだ場合、8時間から48時間後に気管支炎や肺炎、肺水腫で窒息死する可能性がある。

 ホテルは9日、浴場の利用を中止した。一山和夫社長(50)は取材に、「関係者と宿泊客の皆さまにご迷惑をお掛けして申し訳ありません。同じことが起きないよう早急に対応したい」と述べた。

(2月10日)

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