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光学素材の将来性 諏訪で10月に国際会議

 高速大容量通信を可能にするプラスチック光ファイバーなどの材料として注目される高分子光学素材「フォトニクスポリマー」の将来性を探る国際会議が10月15〜18日、諏訪市で開かれることが決まった。研究者らでつくる組織委員会の主催で、国内外の専門家約200人が集まる。同18日に諏訪市で開幕する工業展「諏訪圏工業メッセ」に合わせた特別講義も計画。関係者は先端素材と諏訪の精密加工技術を結び付け、新産業創出につながることを期待している。

 フォトニクスポリマーはガラスに代わる高速通信ケーブル、高精細なディスプレー、大容量の記憶装置などへの応用が研究されている。電子部品大手の日東電工(大阪市)が慶応大の小池康博教授(諏訪市出身)と協力し、画面の解像度がフルハイビジョンの16倍の「8K」の画像データ通信を想定した光ケーブルの開発・量産に乗り出すなど、実用化の動きが加速している。

 会議は2016年10月に栃木県那須町で開き、今年が2回目。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)などが協力し、小池教授と宇都宮大の谷田貝豊彦教授が共同議長を務める。小池教授の故郷でもある諏訪が精密産業の集積地で、フォトニクスポリマーを使った機器の関連部品開発が期待できることから、会場に決まった。

 10月15〜17日に諏訪市のホテル紅やで開く講演や研究発表には、北米、欧州、アジアなどからも著名な研究者が参加。同18日に市文化センターで行う特別講義には、プロジェクターなどの光学機器を手掛けるセイコーエプソン(諏訪市)の碓井稔社長、光触媒の研究で知られる東京理科大の藤嶋昭学長、米クリントン政権で科学技術政策のアドバイザーを務めたダンカン・ムーア米ロチェスター大教授らが登壇する予定だ。地元の企業や学生など一般向けに公開するプログラムも計画する。

 小池教授は「高速通信、高精細画像のキーデバイスとなるフォトニクスポリマーの需要は、2020年東京五輪や遠隔医療の普及に向けて一気に拡大する。国際会議をキックオフとして諏訪の技術の潜在力を世界の研究者と結び付け、技術革新を広めるきっかけにしたい」とする。

 諏訪圏工業メッセ事務局のNPO法人諏訪圏ものづくり推進機構(諏訪市)の小坂和夫常務理事は「将来性が大きい分野で、諏訪のメーカーも部品の製造や研磨、検査機器の提供などで関われるチャンスがある。国際会議は諏訪の技術を世界に発信する機会にもなるので、PR方法を考えたい」と話している。

(2月14日)

長野県のニュース(2月14日)