長野県のニュース

斜面

立春を過ぎ、野菜の値段はいくらか下がりつつあるとはいえ、白菜やキャベツの高値は相変わらずだ。どうしても要るときは4分の1に切ったものを買うのが普通になった。鍋物は値段の優等生のキノコやモヤシに随分お世話になった

   ◆

先日、中野市の大型直売所をのぞくと、キャベツ、白菜は一人2玉まで―と張り紙があるのに、品物が見当たらない。レジで尋ねると、この朝の入荷は白菜が6玉だけ。「また雪が降り農家が掘り出せないのだろう」とのこと。寒波が拍車をかけている

   ◆

多すぎると困る積雪はありがたい“貯蔵庫”でもある。地表温度は零度前後、湿度は100%で一定だ。畑で根が付いたままの野菜は甘みを増ししっとり熟成する。芯まで甘く軟らかくなるキャベツは天ぷらなどに最適だ。その味が一般に知られるようになり人気が高まってきた

   ◆

小谷村では「雪中キャベツ」の生産組合ができ、ブランド化に取り組む。熟成に最低2週間必要で、長すぎても駄目。地元の直売所に出荷するほか、テレビなどに紹介されネット販売では3千円近い値が付く。今季は積雪が早く、正月用にも間に合った

   ◆

雪から掘り出すのは重労働だ。スコップで傷つくこともあり歩留まりは7割程度という。手間をかけた価値あるキャベツである。産地はいずれも高齢化が進み遊休農地が多い山間地。ほそぼそとでは流通に乗せるのが難しかったが、ネットの直販も後押しした。高級ブランドの夢が広がる。

(2月14日)

最近の斜面