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4月廃止の種子法 食卓への影響、講演会や学習会

種子法廃止をテーマに開く講演会などの打ち合わせをする「NAGANO農と食の会」のメンバー=長野市種子法廃止をテーマに開く講演会などの打ち合わせをする「NAGANO農と食の会」のメンバー=長野市
 民間企業による稲や麦といった種子の開発や生産を活発化させることなどを目的に、種子の生産・普及を都道府県に義務付けていた主要農作物種子法(種子法)が4月1日付で廃止されることを受け、県内の消費者や農家の間で、農業の根幹に関わる種子の供給に、市場原理が浸透することへの懸念が広がっている。初めて種子法を知ったという人も少なくないが、各地で講演会や学習会を開く動きがあり、廃止をきっかけに食卓への影響を考えようと呼び掛けている。

 「種子の問題は自分たちが食べたいものを食べられるかどうかに関わる」。長野市などの消費者や農家らでつくる「NAGANO農と食の会」の共同代表、小山都代さん(63)は強調する。同じく共同代表の渡辺啓道さん(62)は「種子の価格が高騰すれば、田を荒らしたくないと米を作ってきた兼業農家が稲作をやめてしまうのではないか」と訴える。

 同会は昨秋から種子法廃止について学んできた。廃止によって、稲の種子価格の値上がりや、風土に合った品種開発が後退する可能性があるとみる。遺伝子組み換え種子を手掛ける海外資本の国内への参入拡大も懸念している。

 広く問題意識を共有したいと、県有機農業研究会と共に、17日午後1時から長野市の松代文化ホールで、民主党政権で農相を務めた山田正彦氏の講演や、ドキュメンタリー映画「種子(たね)―みんなのもの?それとも企業の所有物?」の上映を計画した。

 種子法は、戦後の食糧増産を目的に、優良な種子の生産・普及を進めようと1952(昭和27)年に制定。都道府県に種子の品質の審査や採種農地の指定、種子の生産に必要な原種や原原種の生産を求めている。国は廃止の理由について「都道府県と民間企業の競争条件は対等になっていない」などと説明している。

 伊那谷の母親でつくる「虹の市実行委員会『えん』」も、廃止の影響を考えるグループの一つ。メンバーの一人、大山千佳さん(50)は「どうしたら良い状況にできるかを考えたい」と話す。同実行委も21日午後1時から伊那市立図書館で映画「種子―」を上映する。

 「今回はきっかけ。もっと勉強しないと」と話すのは、今月2日に種子法をテーマに公開学習会を開いた消費者団体「長野市くらしを考える会」会長の絹川千代さん(69)。約30人の参加者から「学習会の続きをやりたい」といった声が上がった。絹川さんは「毎日食べているものの根幹である種子について関心を持つ人が増えればいい」と考えている。

(3月16日)

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