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文科省の報告要請 「前代未聞」と前川氏

ステージに腰掛け、子どもたちの質問に答える前川氏=21日、長野市ステージに腰掛け、子どもたちの質問に答える前川氏=21日、長野市
 文部科学省の前川喜平前事務次官が21日、長野市を訪れ、教育や憲法をテーマに講演した。前川氏が名古屋市立中の授業で講演した内容の報告を文科省が名古屋市教委に要請した問題について、「前代未聞。(教育基本法が禁じる)不当な支配に当たる」と指摘。「憲法を失うと、国という魔物が台風のように大きくなり、国民を巻き込む。国民は国に従えという道徳を押し付けてくる。今もなりかけているから、注意してください」と述べ、憲法改正を目指す安倍政権をけん制する一幕もあった。

 文科省の報告要請は自民党議員の照会が発端とされる。前川氏は講演で「教育現場の不信感を招いている。文科省に政治家の圧力があったのだと思う」とした。取材には、教育現場を守るのが文科省の役割とした上で、「一度染み付いた不信感はなかなか元に戻らないだろう」と述べた。文科省の要請後、中学側から相談を受け、「最小限の報告にすべきだ」と助言したことを明らかにした。

 講演は、県内の子どもを支援する団体らでつくる実行委員会が主催。県内外から約450人が来場した。会場の前の方に座っていた子どもから質問が出ると、ステージの縁に腰掛け話す場面もあった。講演を聴いた上田市の会社員松橋梨恵さん(38)は、憲法を学ぶ機会をもっと増やすべきだと感じたといい、文科省の問題については「萎縮しない自由な教育現場であってほしい」と話した。

(3月22日)

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