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子どもの事故 みんなで防ぐを合言葉に

 入学の時期を前に、気になる分析結果を警察庁が公表した。

 2013〜17年の5年間に起きた交通事故を調べたところ、歩行中の事故で死傷した小学1年生の数が、6年生の3倍余に上った。死者数に限ると8倍となっている。

 横断中の事故が際立ち、その4割近くが横断歩道で起きている。入学して間もなく、規則を守っている子どもたちを死傷させるような現実はいたたまれない。

 交通弱者の小学生が巻き込まれる事故の原因の多くは、運転者の不注意、歩道の不備といった道路状況にあるとみていい。家庭、学校、地域、行政が協力を深め、防いでいきたい。

 自動車を運転する者にとり、分析結果は参考になる。

 一つは時間帯だ。死傷事故が突出して多いのは、下校や習い事から帰る午後3〜5時台。次いで通学時の午前7時台となっている。午後5時と午前7時ごろは、渋滞を避けようと車の速度も上がりがちだ。留意しておきたい。

 月別の結果にも注意が要る。小学1年生でも、6学年全体でも、5月と6月が目立つ。新たな学年にも慣れて気が緩むのだろうか。10、11月も多発している。

 市町村ごとに傾向をつかみ直し交通安全教室の開催時期を工夫してもらいたい。事故が増加する月は、見守りに当たる大人たちを増やす手もある。

 もう一つは発生場所。交差点が最多で、死傷者数全体の43・5%を占める。自動車同士の動きに気を取られ、歩行者への警戒がおろそかになりやすい。

 歩行中の子どもたちが車両事故の巻き添えになる事例も後を絶たない。まだ小さな1、2年生の被害が多い。学校周辺では特に、慎重な運転が求められる。

 通学時間帯は車の通行が禁止される「スクールゾーン」、速度が時速30キロ以下に制限される「ゾーン30」の区域は一般にあまり知られていない。通学路と合わせ、行政は周知を徹底すべきだ。

 児童の交通安全教室に、地域住民の参加を求めてはどうか。子どもの目線で、何が危険かを認識できるだろう。身近なおじさん、おばさんと顔見知りになれば、防犯にもつながる。

 昨年の交通事故死者数は3694人で、戦後最少となった。1万人超が続いた80、90年代に比べ3割ほどに減っている。社会の皆が力を合わせれば改善は可能だ。子どもたちを事故から守る―を新たな目標としたい。

(3月23日)

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