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田原さん「生活した証し」母校に 軽井沢のバス事故

植樹したカルミアの木の前で同級生らにあいさつする田原義則さん=22日、東京都八王子市の首都大学東京植樹したカルミアの木の前で同級生らにあいさつする田原義則さん=22日、東京都八王子市の首都大学東京
 2016年1月、大学生ら15人が死亡した北佐久郡軽井沢町のスキーバス転落事故で、犠牲になった田原寛さん=当時(19)=が通っていた首都大学東京で22日、卒業式があった。門出を迎えた同級生と田原さんの両親は「寛が生活した証し」にと、カルミアの木を大学の敷地に植樹した。大学は田原さんに特別表彰を贈り、父の義則さん(52)=大阪府吹田市=が受け取った。

 同級生らが「何か残したい」と植樹を決め、費用を出し合った。植えたのは「大きな希望」が花言葉の高さ約3メートルのカルミア。5月ごろに花を咲かせるという。植樹には約50人が集まり、義則さんは遺影を掲げながら見守った。

 同級生には、事故に遭ったバスに乗っていた人もいる。義則さんは「楽しい思い出をこの木に収めていただいて、節目として前に進んでほしい」と語り掛けた。「『社会を良くしたい』と考えていた寛の遺志を継ぎ、バス事故をなくすための活動をしていきたい」とも語った。義則さんは遺族でつくる「1・15サクラソウの会」の代表を務めている。

 男子同級生の一人は「証しを残せてうれしい」とあいさつ。「皆が帰ってくる大切な場所にしたい」と述べた。木の横には「また、会いにくるよ。ずっと、笑顔で」の文字を記したプレートを飾った。

 特別表彰は「2年間勉学に励んだ」とし、同日開かれた学位記授与式で贈られた。田原さんが所属した人文・社会系の平井博系長から義則さんが受け取った。遺影を手に壇上に上がった義則さんを同系の卒業生204人が見守った。

(3月23日)

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