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国会証人喚問の始まりは重々しい。全員起立の上で「良心に従って真実を述べ何事も隠さず…」と証人が宣誓する。うそをつくと偽証罪に問われる。事件になる可能性が高いほど「刑事訴追の恐れがある」と証言拒否は多くなりがちだ

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いつ、誰が、どこの指示で、何のために行ったのか―。森友学園に関する財務省の決裁文書改ざん問題は疑問だらけ。鍵を握る当時の理財局長佐川宣寿さんの証言に期待してみたが、やはり刑事訴追を盾にかたくなだった。真相解明は入り口で止まった

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不自然に見えたのは、官邸や首相夫人、政治家からの影響については「まったくない」と断言したことだ。破格の土地値引きは局長就任前に決まったのに、その影響さえもはっきり否定。すべて理財局内で行ったことにしたい、上への波及は阻止したいとの強い思いが見て取れた

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〈誰かをおもんぱかって真実も言えず、非難にさらされる役人の方々を見ると、以前のような尊敬の念がなくなり…〉。きのうの建設標に20代の女性が投稿している。難関を突破し人のために働く国家公務員に憧れていたのに、反面教師になったという

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国税庁長官まで務めたエリートの佐川さんだが、公務員への言葉を求められても「おとしめているとすれば、おわび申し上げる」と素っ気なかった。局内のせいにされた、かつての部下はどう思ったろう。信用回復のためにすべてを語る矜持(きょうじ)はなかったか。幕引きだけは許してはなるまい。

(3月28日)

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