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中朝首脳会談 核放棄へ各国は結束を

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が中国を訪問し、習近平国家主席と初会談した。

 年明け以降、北朝鮮を巡る動きが急展開している。関係国が足並みをそろえ、核放棄への道筋を付けなくてはならない。

 4日間にわたって訪問し、26日に会談した。きのうの朝、両国の国営メディアが報じている。

 中国メディアによると、金氏は朝鮮半島の非核化実現に意欲を表明した。「米韓両国が善意でわれわれの努力に応え、平和と安定の雰囲気をつくり出せば、非核化の問題は解決できる」と述べたという。伝統的友好関係の発展で一致するなど結束をアピールした。

 金氏が最高指導者に就任してから初の外遊である。北朝鮮の朝鮮中央通信は、金氏が夕食会で「初の外国訪問が中国の首都となったのは当然で、朝中親善を引き継いでいく私の崇高な義務だ」と述べたと伝えている。

 突然の訪中は北朝鮮側の提案で実現したという。核・ミサイル開発などを巡り冷え込んだ関係が続いてきた。4〜5月の南北、米朝首脳会談を前に関係修復を図った形だ。中国の後ろ盾を得ることで米韓との会談を有利な立場で進めたいのではないか。

 中国側の思惑も合致したのだろう。北朝鮮情勢に積極的に関与する姿勢を示してきた。頭越しに米韓との対話が進み、蚊帳の外に置かれる展開は避けたいはずだ。

 非核化実現への意欲を表明したとはいえ、楽観はできない。朝鮮中央通信は金氏の非核化についての発言を伝えなかった。本当に手放す考えがあるのか、具体的な行動を取るのか。引き続き注視しなくてはならない。

 金氏が「新年の辞」で韓国への融和姿勢を示して以降、情勢は急速に変化している。日本も対応を迫られる。

 中朝会談を受け、安倍晋三首相は参院予算委員会で「重大な関心を持って情報収集、分析に努めている。中国側からもしっかりと説明を受けたい」と述べた。

 中国は核問題を巡る6カ国協議を再開し、交渉の主導権を握りたい考えだ。働き掛けがあったときどう応えるか。方針を詰めなくてはならない。

 日本にとっては核とともに拉致問題が重い課題だ。政府は日朝首脳会談への意欲を複数のルートで北朝鮮側に伝えている。韓国に対しても南北会談で取り上げるよう要請した。関係国と緊密に連携しつつ、戦略的に外交を進めることがこれまで以上に求められる。

(3月29日)

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