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病気に強いソルガム新品種 県畜産試験場がカネコ種苗と開発

県畜産試験場がカネコ種苗と共同開発したソルガムの新品種「東山交37号」県畜産試験場がカネコ種苗と共同開発したソルガムの新品種「東山交37号」
 県畜産試験場(塩尻市)は種苗大手のカネコ種苗(前橋市)と共同で、イネ科の飼料作物「ソルガム」の新品種を開発した。温暖な地域で発生しやすいソルガムの病気「紫斑点病」にかかりにくいのが特長。消化しやすく、牛が好んで食べる性質も兼ね備えた。紫斑点病の被害は温暖化に伴って県内全域で増えており、既存のソルガムに替わる品種として普及を図る。

 新品種「東山交(とうさんこう)37号」は、穂を含めた草丈が3メートルほどになる。ソルガムの中でも、草丈が高いソルゴー型に分類され、草丈が低い子実型と比べて収穫量が多い。収穫後、乾燥させた状態で、10アール当たり2・1〜2・2トンの収穫が期待できる。ソルゴー型の従来品種「秋立(あきだち)」より、収穫量が9%ほど多い。

 ソルガムは細かく刻んだ茎や葉を発酵させた「サイレージ」に加工して飼料にする。県畜産試験場によると、新品種は牛が消化しやすい遺伝子を持つことに加え、発酵させやすく、牛の食欲をそそるという。栽培に適するのは標高千メートル以下の地域で、5月中下旬に種をまき、9月下旬〜10月上旬に収穫する。

 同試験場は、2009年に新品種の開発に着手。多くの収穫が期待できる草丈が高いタイプで、紫斑点病に強く、牛が好んで食べる性質を兼ね備えたソルガムの市販品種の開発は全国初という。近く農林水産省に品種登録を出願する。種子は19年にカネコ種苗が全国発売する予定。

 ソルガムは、県内で牧草、トウモロコシに次ぐ飼料作物で、栽培面積は約140ヘクタール。紫斑点病にかかると、葉が枯れ、収穫量が4割ほど減る場合もある。輸入飼料価格が高騰していることもあり、畜産農家から病気になりにくく、牛がよく食べるソルガムの開発が求められていた。

 県は既存品種との切り替えに加え、鳥獣被害のため飼料用トウモロコシの栽培が難しい地域でも自給できる飼料作物として、新品種のソルガムの生産を促す。県内の当面の普及目標は、栽培面積で20ヘクタールとしている。

(3月30日)

長野県のニュース(3月30日)