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リニア残土行き先、懸念の声 県道改良遅れで大鹿の対策委

 JR東海は29日夜の下伊那郡大鹿村のリニア対策委員会で、リニア中央新幹線のトンネル掘削に絡み、残土の村外搬出に必要となる県道松川インター大鹿線の改良工事が予定より1年8カ月程度遅れる見通しを報告した上で、その間の残土の行き先について「やりくりはできると思っている」と説明した。ただ、村内で残土処分や仮置きできる用地は少なく、一部の委員からは仮置き場の無理な確保などにつながるのではないか―と懸念する声も出た。

 県道改良の遅れは、JRが27日、工事区間である上伊那郡中川村でも説明。全区間の改良を終えるのは2020年11月前後と見込みを示した。

 南アルプストンネル工事が進む大鹿村では、伊那山地トンネルも含め全体で約300万立方メートルの残土が発生する見込み。JRは村内に仮置きした後、大半を村外へ搬出する計画で、これまでは18年度末までに同県道の改良を終え、仮置きした残土を搬出する予定だった。

 現状で大鹿村内で確保できている残土の活用事業や仮置きの用地の容量は、村の推計分などを総合すると40万立方メートル程度とみられる。県道改良完了までの間に掘削した残土量がこの容量を超えれば、トンネル掘削の進行が遅れ、住民生活への影響が長期化する可能性も生じる。

 残土の活用先として、同県道沿いの「半の沢」といった新たな候補地も浮上しているが、「まだ協議段階」(県リニア整備推進事務所)である上、保安林指定解除など長期にわたる手続きも必要だ。

 こうした状況を踏まえ、委員の一人は対策委会合で「残土の置き場がないからといって無理に大鹿村内に土を置くことがないようにしてほしい」と求めた。JRは半の沢などに埋め立てができれば「何とか調整できる数量」との見解を示した上で「計画通りにできるよう、頂いた土地で進めたい」とした。

 JR東海中央新幹線建設部名古屋建設部の古谷佳久担当部長は取材に、27年開業への「影響はない」と述べた。

 JRは対策委会合で、昨年12月に同県道沿いで発生した土砂崩落の原因の調査結果も報告。県道改良の一環で実施していた新設トンネルの掘削が原因としてJRの責任を認め、改めて陳謝した。

(3月30日)

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