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親しまれた陶壁画 長野・更北公民館へ移設 30年前中学生制作

30年ほど前、当時の中学生たちが手掛けた陶壁画。千曲川や犀川に囲まれた地域を表した=更北公民館30年ほど前、当時の中学生たちが手掛けた陶壁画。千曲川や犀川に囲まれた地域を表した=更北公民館
 長野市更北公民館に、隣接する同公民館青木島分館に飾ってあった大型の陶壁画が移された。陶壁画は30年ほど前、地元の更北中学校の生徒たちが制作。分館の2016年の解体で処分される予定だったが、長く親しんできた地元住民たちから「残してほしい」との声が上がり、移設がかなった。公民館と更北地区住民自治協議会は31日、現地で設置を祝う会を企画。地域への愛着を引き継いでいこうと、思いを新たにしている。

 陶壁画は縦1メートル、横2メートルほど。更北中工芸部の生徒約20人が、陶板約40枚を組み合わせて作った。絵柄は生徒たちが考案。千曲川と犀川に囲まれている地域の風景や、生徒たちが更北から世界に羽ばたいていく―との願いを込め、鳥が飛び立つ姿を描いた。

 制作当時、工芸部の顧問だった元教員の荻原恒夫さん(68)によると、「個の活動が中心になりがちな美術でも、チームワークを培ってほしい」と生徒たちに投げ掛け、共同制作することに。青木島分館の新築祝いとして納め、玄関脇に飾られていた。

 分館が16年、市道の拡張工事のため解体されることが決まると、公民館長の金田要司さん(71)に住民らから「陶壁画を残してほしい」と多くの要望が届いた。「子どもたちの故郷を思う気持ちを形に残したい」といった声も寄せられた。このため、陶壁画は分館解体後も、公民館内に保存していた。

 金田さんは17年8月ごろ、更北地区自治協会長の井上正昭さん(70)に相談。井上さんも陶壁画を残すことに同意し、市教育委員会に陶壁画の移設を要望。12月に許可が下りたため、入り口付近に土台を据え、陶壁画を置いた。

 「このような形で残してもらい、うれしい」と荻原さん。31日は荻原さんや、当時制作に携わった元生徒らも陶壁画を見るために集まる。荻原さんは「陶壁画が、地元から羽ばたいていく子どもたちを、地域がいつまでも見守っている―というシンボルになってくれるといい」と話している。

(3月30日)

長野県のニュース(3月30日)