長野県のニュース

喫煙者と「共存」手探り 長野であす条例施行

 長野市は1日、市内全域で歩きたばこを禁じる内容を盛り込んだ改正ポイ捨て防止条例を施行する。市が指定した重点地区内の路上喫煙には罰則を科すという県内自治体で初めての内容。罰則は当面、適用しない方針で、市は改正内容の周知のため、巡回指導に力を入れ、商店街関係者らは観光地としての環境向上などに期待する。一方、喫煙者からは喫煙場所の拡大などを求める声もある。

 「ごみのポイ捨て 歩行喫煙 禁止」と書かれた赤色のシートがJR長野駅前などの歩道上に登場。30日もそれに目を留めながら歩く人もいた。

 市は改正条例の施行を前に、長野駅前の歩行者用デッキにPRの横断幕を設置。市街地の交差点の路面に貼っていたシート95枚は、ごみのポイ捨てや歩きたばこをしないよう呼び掛けるものから、「禁止」を明確に訴える内容に貼り替えた。1日には長野駅前で施行の式典も行う。

 さらに今後は、警備会社に委託し、午後8〜9時ごろに巡回指導をする予定だ。開始時期は未定。2月以降、市職員や商工関係者らが週2、3回、朝夕の通勤や帰宅の時間帯にチラシなどを配ってきたが、繁華街では夜間の路上喫煙も多いことを踏まえた。

 市に路上喫煙を禁じる条例を求めてきた長野商店会連合会は「改正条例が施行されれば、歩きたばこがなくなり、吸い殻のポイ捨ても減るのではないか」と期待する。

 一方、30日朝、長野駅善光寺口の市が管理する喫煙所にいた60代のタクシー運転手男性は、条例について「吸う側もマナーを守ることは必要。でも、きちんとした吸える場所がもっとないと困る」と漏らした。市管理の喫煙所は、善光寺口と駅東口の計2カ所。市の調査で、中心市街地には飲食店前などの計84カ所に灰皿が設置されているが、市が定めた喫煙所ではない。

 「たばこを吸う観光客が街を歩いても、休める所がないと困る」。市内でたばこを販売する男性(80)は、喫煙者に利用を勧められる喫煙所が必要だと訴える。

 ただ、各所に喫煙場所をどう設けるかの具体的な検討はこれから。条例改正を検討した審議会は答申で「喫煙者への配慮」も求めており、加藤久雄市長も喫煙者との「共存」を図るとしてきた。

 受動喫煙対策を強化する健康増進法改正の動きの中で、喫煙スペースの設置に対する助成制度の拡充などが今月ようやく閣議決定され、市環境政策課は「4月から本格的な検討に入りたい」とする。

 中心市街地には市有施設も多く、市側はこれらへの喫煙所の設置について考え方をまとめる方針。どの程度設けるのが望ましいか―といった基準などについて地元地区などと話し合いたいとしている。

(3月31日)

長野県のニュース(3月31日)