長野県のニュース

イラク日報 第三者の調査が必要だ

 「存在しない」とされていた自衛隊の文書がまた見つかった。

 陸上自衛隊のイラク派遣部隊の日報だ。南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報に続く問題である。

 防衛相への報告が遅れた点も共通している。なぜ同様の事態が繰り返されるのか。経緯を明らかにしなければならない。

 2004〜06年の延べ376日分、約1万4千ページに上る。陸自研究本部などに残っていた。小野寺五典防衛相が発表、陳謝した。記載内容の確認などをした上で今月半ばをめどに国会議員に提出する意向を示している。

 昨年2月に民進党議員が資料要求した経緯がある。防衛省は「不存在」と回答していた。当時の稲田朋美防衛相は、衆院予算委員会で「確認したが見つけることはできなかった」と答弁した。防衛省への不信を募らせる展開だ。

 今回、見つかったことについて小野寺氏は「PKO日報問題の再発防止策の一環として丹念に捜していて明らかになった」と述べている。防衛省は日報を一元的に管理することにし、海外派遣で作成した日報などを調べるよう全部隊や部署に指示していた。

 昨年2月の時点では捜す努力をどこまでしたのか。

 研究本部では「教訓業務各種資料」との文書名で電子データとして保存されていた。イラクと結び付かず、発見できなかったと説明している。事実なら、ずさんな文書管理である。

 イラク派遣は戦闘が続く国への派遣だった。「非戦闘地域」とされた南部サマワの宿営地にロケット弾が撃ち込まれたこともある。国会論戦の火種になりかねない文書を隠したのではないか―と勘繰りたくもなる。

 日報が見つかった後の対応も見過ごせない。陸自が存在を確認してから、小野寺氏に報告されるまで2カ月半以上かかった。大臣として実力組織を統率できているのか、文民統制に疑問符が付く。

 南スーダンの日報でも報告が約1カ月遅れた。陸自や統合幕僚監部は「分量が多く内容の確認作業に時間がかかった」などと釈明している。そうだとしても、一報を入れることはできる。ふに落ちない説明である。

 安倍晋三首相は「しっかり精査し、つまびらかに経過、情報を公表するように」と小野寺氏に指示したという。内輪の調査では信ぴょう性に欠ける。存在の確認と報告が遅れたのはなぜか。第三者による徹底した解明が必要だ。

(4月4日)

最近の社説