長野県のニュース

県立大開学 特色をしっかり示して

 県立大が長野市に開学した。8日に1期生の入学式が開かれる。

 全国から学生が集まってくる。長野県内の高校出身者は、入学予定者247人の6割近くを占めている。

 少子化に伴い、多くの大学が学生の確保に苦心している。県と大学職員は、県立大の持ち味を分かりやすく具体的に示し、運営を軌道に乗せてもらいたい。

 県が、県短大の四年制化を決めたのは2012年2月だった。短大の同窓会が12万人分の署名を添え、大学への昇格を訴えてから20年が経過していた。

 阿部県政は当初、「総合マネジメント学部」を設け、「総合マネジメント」と「グローバルこども教育」の2学科を置く大学構想の素案を提示した。

 管理栄養士の養成課程を求める短大の同窓会などが反発。すったもんだの末、「健康発達学部」を加えた2学部3学科とする構成にまとまっている。

 “グローバル”を多用した理念に、県民からは「教育の狙いが分からない」との声が相次いだ。同じ管理栄養士の養成課程がある松本大を中心に、県内の私立大は競合を不安視してきた。

 疑問や懸念は拭えていない。

 全国600の私立大の40%で17年度、定員割れが起きている。18歳人口は今年から減少局面に入るとされ、大学全体の定員充足率は40年度までに83・9%に下がると推計されている。

 生き残りをかけて、全国の大学は既に、過疎対策や地域振興、新産業の創出で地元に貢献する学部を創設するなど、取り組みを進めている。後発の県立大は、教育内容や学生支援の特徴を、より意識的に発信しなければならない。

 一つの小規模な大学だけで、十分な強みを打ち出すのは難しいかもしれない。

 文部科学省は、各地の国公私立大が連携して新法人を設立し、グループ運営を可能にする制度づくりの検討を始めている。

 一体的な運営になれば、学生が他の大学で受講する単位交換制を充実させたり、教授が複数の大学で講義したりできるようになるだろう。卒業後、8割が県外に出るという県内の高校生を引きつける工夫の余地も生まれる。

 今月1日、諏訪東京理科大も公立大として再出発している。県内の大学は、国立1校、公立4校、私立5校となった。短大を含め、高等教育の構想を練り直す契機とし、学生たちに幅広い選択肢を提供できる環境を整えたい。

(4月4日)

長野県のニュース(4月4日)