長野県のニュース

お花見のビール 値上げか据え置きか

花見小屋で準備をする竹村さん。業務用のビールの値上げを嘆く=4日、長野市城山公園花見小屋で準備をする竹村さん。業務用のビールの値上げを嘆く=4日、長野市城山公園
 大手ビールメーカーが3〜4月に主に業務用に販売しているビールを値上げしたのを受け、県内の飲食店で価格に転嫁する動きが出始めた。値上げは、物流費の上昇や昨年6月に酒類の過度な安売りが規制されるようになったことが理由。ただ、価格転嫁すれば客離れにつながりかねないとして、価格を当面据え置いて様子を見る店も目立つ。

 「もう値上がり分を吸収しようがない」。4日に営業を始めた長野市城山公園の花見小屋。その一つを営む竹村寿之さんは、ビールや食料品仕入れ値の相次ぐ引き上げに嘆く。昨年までビールの大瓶を1本700円で提供していたが、今年は同じ価格で中瓶に変更せざるを得なかった。

 一方で「お客さんが出掛けるのをちゅうちょしかねない」と、「飲み放題」のコースは価格を据え置いた。ただ、連日の気温上昇に「(他の酒でなく)ビールを選ぶ人が増えそう」と苦笑いする。一帯では大瓶を700円から50円値上げした小屋もある。

 各メーカーが値上げしたのは、瓶やたるといった回収容器入りのビール類や酎ハイなどの一部。出荷数量が減少する一方で、運転手不足などで物流費は上昇し、相対的に空き容器の回収コストなどが上がっているためだ。アサヒが3月から、キリン、サントリー、サッポロの3社が4月から値上げに踏み切った。多くは値上げ幅を公表していない。

 県内の外食産業では、価格転嫁に慎重な姿勢も目立つ。焼き肉店などを展開する上田市の業者は、ビールの仕入れ価格が1割ほど上がったが、店での価格は据え置いた。「値上げで客離れが起きれば、デメリットの方が大きくなる」と担当者。「ビールは、お客が焼き肉を食べる量を増やす促進剤」といい、しばらくは様子を見る構えだ。

 飲食チェーンの王滝(松本市)も、価格を据え置いている。広報担当者は「(大量購入による)スケールメリットも生かし、現状では企業努力で対応する」。一方、長野市の飲食店経営者は「表示やレジの設定をするのも手間がかかる。価格変更は、2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げ時かな」と話している。

(4月5日)

長野県のニュース(4月5日)