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公文書管理 厳格化へ法の抜本改正を

 各府省がそれぞれ見直しを進めてきた行政文書の管理規則を、政府の公文書管理委員会が了承した。政府が昨年まとめたガイドラインに沿って文書の1年以上保存などを定めている。

 森友学園への国有地売却、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報問題などでは、あるはずの文書がなかったことにされたり、中身が改ざんされたりするなど、不適切な扱いが露呈した。

 管理規則見直しといった小手先の策では対処できそうにない。文書の扱いに目を光らせる第三者機関の設置など、公文書管理法を抜本的に改正すべきだ。

 政府のガイドラインには、▽意思決定過程の検証に必要となる文書は原則1年以上保存する▽複数の府省や外部との協議では「可能な限り、相手方の発言部分についても相手方による確認などにより正確性確保を期す」―ことなどが盛り込まれている。各府省の規則は基本的に、この基準を踏まえて策定された。

 防衛省は加えて、自衛隊の部隊などの日報は10年以上保存するとの規定を新設した。

 公文書が短期間で廃棄されるようでは国会、国民が政府の行為をチェックするのは難しい。1年以上保存は当然の見直しだ。

 新規則の運用が始まれば問題は解決するだろうか。「イエス」とは答えられそうにない。

 どの文書を保存期間1年以上とするか、判断は各府省に任されている。恣意(しい)的な解釈で廃棄される心配がぬぐえない。

 相手方の確認で正確性を期す、との規定にも問題がある。当事者にとって都合の悪い発言がなかったことにされかねない。

 歯止めをかけるために、公文書の運用を監視する第三者機関の設置を考えたい。その下に文書管理の専門家「アーキビスト」を置き府省に配置すれば、勝手な運用はしにくくなる。

 文書の電子化も有効だ。書き換えの過程を後からたどれるようになる。違法な廃棄への罰則も、検討課題の一つにしたい。

 一連の問題の根っこには、情報を出し渋る行政機関の体質があるのではないか。言い換えれば、公文書が「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」(公文書管理法1条)であることへの理解不足だ。

 公文書管理法には施行5年後の見直し規定がある。今年で施行から7年になる。公文書を国民のものにするために、協力して法改正するよう与野党に求める。

(4月7日)

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