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「三方よし」は近江商人が商いのよりどころとした精神だ。「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三方で、中でも大切にすべしとされたのが「世間よし」。社会のためにならなければ良い商売と言えず長続きしないとの教えである

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近江商人の古里は琵琶湖東岸の近江八幡。豊臣秀吉のおい、秀次が城下町を開き、水路整備や楽市楽座の制度で商人を呼び寄せた。秀次の自刃で廃城になったが、商人は他国を行商して財を築き、各地に進出した。さて、こちらは“三方悪(あ)し”の典型か

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トランプ米大統領が仕掛ける中国への圧力だ。巨額赤字と知的財産権侵害に業を煮やし年500億ドル(約5兆4千億円)の輸入品に追加関税を課すと発表。中国が同規模の報復関税を宣言すると、さらに1千億ドル分追加を指示した。「とことん付き合う」と中国も徹底抗戦の構え

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初めに高いボールを投げ強気で押すのがトランプ流。「私にとって取引は芸術。大きいほどスリルと喜びを感じ、手ごわい連中を打ち負かすのがたまらない」。不動産業で成功した時代の自伝にある。はて中国との駆け引きは商売のようにいくだろうか

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対立が激化すれば通商は縮み、両国民だけでなく世界中が迷惑しよう。予測不能の大統領と強権を握る国家主席、両者が率いる二大経済大国の激突で、とりわけとばっちりを受けるのは日本だ。景気悪化にハラハラさせられてはたまらない。交渉によって良識ある解決を―と願うばかりだ。

(4月10日)

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