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働き方改革 小諸の旅館が定休日導入

菱野温泉薬師館の定休日を知らせる掲示と花岡専務菱野温泉薬師館の定休日を知らせる掲示と花岡専務
 小諸市菱平の旅館「菱野温泉薬師館」が働き方改革の一環で定休日を導入し、収益力向上に効果を上げている。宿泊客が少ない冬季は火曜日と水曜日、春から秋は火曜日を定休日に設定。順番に休む「シフト制」で働いていた従業員からは「休みの予定が立てやすい」と好評だ。従業員のやる気アップと、業務効率化による収益体質強化の相乗効果につなげている。

 薬師館は1617(元和3)年の創業。予約なしの遠出客が大半だった昔の名残もあり、常に宿泊客を迎えられるように設備のメンテナンス日などを除いて、ほぼ一年中営業していた。現在は宿泊客の9割超が電話やインターネットで予約。事前に休業日を伝えることができるため、不便は生じないと判断。昨年11月下旬に定休日を導入した。

 同館の従業員は7人。11月21日から3月20日は火曜日と水曜日、3月21日から11月20日は火曜日を定休日とした。定休日が週1日しかない春から秋も、定休日とシフト制を組み合わせ、冬季と同程度の休日数を確保できるという。

 定休日の導入前は原則として、1カ月のうち全休7日、半休4日とし、シフト制で不定期の休みを入れていた。従業員の小林美絵さん(25)は「定期的な休日があると思うと、気分も違う」と定休日導入を歓迎。シフト制だけだった以前と比べ「予定が立てやすくなった。定休日に旅行に行きたい」と話す。

 めりはりのある働き方の導入は、業績アップという形でも効果を表しつつある。同館によると、定休日を導入した分、宿泊客を営業日に集中させて予約を受け付けるため、売上高にマイナスの影響はない。一方、従業員の効率的な働き方で人件費コストの無駄が抑えられ、企業としての収益力は高まっている。昨年12月から今年3月にかけての純利益は、前年同期と比べて約40%伸びたという。

 一般社団法人日本旅館協会(東京)によると、定休日を設ける旅館は全国的にも増加傾向。厚生労働省も旅館・ホテル業の休館日拡大を推奨している。薬師館の花岡隆太専務(37)は「サービス業は休みを取りづらいと思われ、人材確保に苦労している。若い世代はプライベートの時間を大切にするので、働き方も時代に合わせないといけない」と話している。

(4月13日)

長野県のニュース(4月13日)