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塩尻の「F・パワー」 20年の発電開始目指す

信州F・パワープロジェクトの発電施設の建設予定地。左側は既に稼働している製材工場=12日信州F・パワープロジェクトの発電施設の建設予定地。左側は既に稼働している製材工場=12日
 県や塩尻市、征矢野建材(松本市)が連携して林業再生を目指す「信州F・パワープロジェクト」で、着工が遅れている発電施設の事業主体ソヤノウッドパワー(同)は12日、事業化のめどが付いたと正式発表した。2020年10月の運転開始を予定。主に中部電力に売電し、年間30億円の売り上げを目指す。ただ施設整備の総事業費は工事費の高騰などで当初計画の1・7倍の100億円弱に膨らむ見込みだ。

 定格出力は1万4500キロワットで、国産木材を使ったバイオマス発電施設としては全国でも最大規模。年間想定売電量は9500万キロワット時。一般家庭の2万6千世帯分に相当するという。

 ソヤノウッドパワーは征矢野建材が14年3月に発電事業のために設立した特定目的会社。新たに、九州電力グループ会社の九電みらいエナジーと九電工(ともに福岡市)、北野建設(長野市)、八十二キャピタル(同)が出資を決め、出資者は征矢野建材とグリーンファイナンス推進機構(東京)を含め計6者となった。これに伴い、桜井秀弥・征矢野建材社長が兼ねていたソヤノウッドパワー社長には、九電みらいエナジー取締役の武末伸二氏が就任。桜井氏は会長に就いた。

 発電施設は、塩尻市片丘にある同プロジェクトの製材工場に隣接する1万9600平方メートルの敷地に設ける。荏原環境プラント(東京)や三井三池製作所(同)の共同企業体(JV)が建設に当たり、今年11月に着工する予定だ。

 発電施設は、伐採後に山に残されていた未利用材や製材の際に発生する端材を年間約14万トン燃やし、発生した蒸気でタービンを回して電力を得る仕組み。政府が導入した固定価格買い取り制度(FIT)を使い、主に中電に売電する。

 桜井氏は12日、県庁内で記者会見し「県林業の発展や地域経済の活性化に寄与したい」と説明。同席した武末氏は参入した理由を「県内はバイオマスが豊富で有望な地域。国内でも大きな発電所で魅力ある事業」とした。

 小口利幸塩尻市長は「森林に生かされる豊かな暮らしの具現化に向け展望が開けた」とするコメントを発表した。

(4月13日)

長野県のニュース(4月13日)