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女性議員 法案成立を第一歩に

 国会や地方議会に女性議員をどうやって増やすか。取り組みを進めていく第一歩となる法案がようやく成立する見通しになった。

 議員立法の「政治分野の男女共同参画推進法案」である。衆院で全会一致で可決され、参院に送られた。議員選挙の際、男女の候補者の数ができる限り均等になるよう、政党に自主的な取り組みを求めている。

 国会の法案審議は通例、政府提出の法案が優先され、議員立法は後回しになる。今回はそれを覆して、先に審議した。

 森友・加計学園をめぐる問題などで審議日程が窮屈になり、会期末までに成立しない事態を避けるためだ。懸案の立法をさらに先送りしない意思を国会が明確にしたことは評価できる。

 超党派の議員連盟で何年も議論が重ねられてきた。昨年の通常国会で成立させる段取りがついたにもかかわらず、森友・加計問題や共謀罪法案のあおりで、審議に入れないまま閉会に。秋の衆院解散で廃案になった。

 再提出にあたっては、再び時間切れにならないよう、国会開会前から優先審議を各党に働きかけたという。ただ、男女均等の候補擁立はあくまで努力義務である。強制力はない。それ以外に何かを義務づけるわけでもない。

 法案の成立は「とば口」にすぎない。実際に女性議員が増えるかは、これからの議論と取り組みにかかっている。ここで立ち止まっているわけにいかない。

 昨年の衆院選で、当選者全体に占める女性の割合は10・1%にとどまった。立候補者は17・7%と過去最高だったが、それでも2割に届かない。都道府県議や市町村議も女性は軒並み1割台だ。

 女性の参加を阻む壁はいまだに厚い。家事や育児、介護の負担は偏り、政治は男性の仕事といった意識も根強い。理念や努力目標を掲げるだけでなく、後押しする具体的な仕組みが欠かせない。

 すでに多くの国がクオータ制を取り入れ、成果を上げている。立候補者の一定割合を女性に割り当てる制度である。日本でも導入を検討すべきだ。

 同時に、男性中心に成り立ってきた議会のあり方を見直すことが欠かせない。子育てをしながら議員を務める人を支える仕組みが乏しいこともその一つだ。

 何が女性を遠ざけているかを丁寧に点検し、壁をなくしていく必要がある。国会、各地方議会が自らの問題として議論し、取り組みを進めなければならない。

(4月16日)

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