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斜面

スタート10分前、5キロ地点にはボランティアらに混じり、応援の小旗を持つ家族連れなどの姿があった。きのう長野市で行われた長野マラソンである。沿道はどんな様子なのか確かめようとコースに従って歩を進めてみた

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あいにくの雨の中、傘を差した人たちの列が歩道に延びている。善光寺の表参道を下っていると選手が姿を現し、声援が飛んだ。駆け抜けるランナーを横目にコースをたどると、線路をまたぐ陸橋の上にも応援の姿が続いている。沿道で大会を盛り上げる人たちの熱意を実感する

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市街地のようにはいかないものの、終盤の堤防道路でもエールが送られていた。近くに住む女性はメガホンを手に「あと少しですよー」。知人の応援に毎年立つという。「苦しいところだからね」と、向かい風を受けながら駆けるランナーに心を寄せた

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長野五輪の翌年、1999年に始まった大会は20回の節目だった。第1回から連続エントリーの「ゴールドナンバー」の保持者も多い。その1人、飯山市の会社員小林智恵子さん(56)は最近父を亡くし、思うように練習できなかったという。完走に「父が応援してくれたのかな」

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ゴール地点の長野オリンピックスタジアムの周りでは、仲間と互いの走りをたたえ合ったり、完走賞のタオルを体の前に広げて記念撮影したりと参加者の笑顔が広がった。多くのランナーと、その走りを支え応援する人たち。一人一人の思いが次の10年、20年へと続いていく。

(4月16日)

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