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将来の博士 企業とサポート 信大が新制度

新制度の仕組みなどを説明する信州大の濱田学長(右から2人目)ら新制度の仕組みなどを説明する信州大の濱田学長(右から2人目)ら
 信州大(本部・松本市)は16日、博士課程の大学院生を経済的に支援する「ARA(アドバンスド・リサーチ・アシスタント)」制度を創設したと発表した。産学連携による研究に取り組む院生を雇用し、企業の負担で最大月額25万円の給与を支払う仕組み。在学中から企業と共同研究を行い、企業研究者らと交流することで、産業界などで活躍できる人材育成も目指す。

 ARAは主に信大総合医理工学研究科の院生が対象。学業成績や英語のコミュニケーション能力などを、信大の産学連携の研究プロジェクトに参画する企業関係者を含めた選考委員が審査し、採用者を決める。研究業務は、院生の授業などに支障がないよう配慮し、給与は、企業が支出する共同研究費から支払う。

 当面、信大が中心となって昨年から5年計画で進めている産学連携の医療機器の研究プロジェクト「埋込(うめこみ)型・装着型デバイス共創コンソーシアム」で適用する。5月1日に男女2人の院生を採用し、最終的に計10人ほどを雇用する予定。一部企業はプロジェクトに参加する院生を修了後に採用する意向も示している。

 信大によると、博士課程に進む院生は全国的に減少傾向にある。背景には、生活費や学費を賄う負担の重さや、企業が博士課程の院生の採用に消極的で修了後の就職が難しいことなどがあるという。

 信大には現在、博士課程の院生が教授らの研究を手伝う「リサーチ・アシスタント(RA)」制度があるが、大学が負担する給与は時給制で「多くて月5万円程度」(杉原伸宏学長補佐)。ARAで優秀な院生に給与を払うことで研究に専念してもらうとともに、専門以外の幅広い知見も得られる環境を提供する。

 この日、信大本部(松本市)で開いた記者会見で、濱田州博(はまだくにひろ)学長は、院生を巡るこうした問題の解決は「大学に課された使命だ」と強調した。

(4月17日)

長野県のニュース(4月17日)