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入管ハンスト 人権が守られていない

 ここは刑務所ではありません。それとも私たち外国人には何の権利もないのでしょうか―。茨城県にある東日本入国管理センターの収容者たちが先月、所長宛てに出した嘆願書だ。

 長期の収容や理不尽な再収容をやめるよう声を上げた。今月15日以降、絶食して抗議するハンガーストライキが広がっている。

 不法入国や在留期間の超過などで退去を命じられた外国人を収容する施設は全国17カ所にあり、1300人余が収容されている。そのうち期間が1年以上の人は300人近くに上る。

 収容施設からの「仮放免」をいったんは認めながら、取り消して再収容する事例が最近は目立つ。2020年の東京五輪に向けた治安対策だと政府は説明するが、不法滞在者らを潜在的な犯罪者と見なすかの姿勢は不当だ。

 そもそもは、強制送還させるまで一時的に留め置く施設である。ところが、一度収容されるといつ出られるか分からない。先が見えない不安から、精神的に追い詰められる人は少なくない。

 収容者は、日本にとどまる事情や理由がある場合が多い。妻や子が日本にいる人。日本で生まれ育ち、帰る国がない人。母国での戦乱や迫害から逃れた人…。不法滞在だから、難民申請が退けられたから、といってただちに強制送還するわけにはいかない。

 一方で、送還の見通しがないまま施設に閉じ込めて自由を奪うことは著しい人権侵害である。入国管理局は収容を原則とする姿勢を改め、仮放免の間口を広げることや、事情に応じて特別な在留許可を与えることを考えるべきだ。

 収容者の処遇を改善することも欠かせない。特に医療面の問題は深刻だ。体調不良を訴えた収容者が診察や検査を受けられないまま亡くなった事例も目につく。

 収容者は所内の公衆電話しか使えない。決められた時間以外は狭い部屋から出られない。家族からは電話もかけられず、面会は原則平日だけ…。受刑者かと思うような不自由を強いられている現状は変えなくてはならない。

 英国では裁判所が収容の是非を判断するほか、収容施設を監視する第三者機関があるという。日本でも「視察委員会」ができたが、入国管理局が委員を選任し、独立性が確保されていない。

 見えないところで人権が損なわれないよう、監視、検証する仕組みをどうつくるか。入管行政や収容の実態に多くの人が目を向け、社会に議論を広げたい。

(4月19日)

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