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麻生財務相 出処進退を考える時だ

 森友学園問題に加え事務次官のセクハラ疑惑で財務省の信頼は失墜している。組織の立て直しに向け、トップの責任は重大である。

 麻生太郎財務相は任に堪えるのか。任命した幹部による不祥事や問題が相次ぐ状況を見ると、疑問が拭えない。

 セクハラ疑惑では、被害を受けた女性記者らに協力を要請した財務省の対応に政府、与党内からも批判が上がった。

 麻生氏は被害女性が「申し出てこないと、どうしようもない」と述べ、名乗り出なければ事実認定できないとの考えを示してきた。

 福田淳一事務次官をかばう姿勢は当初からだ。女性の声の上げづらさを指摘されると「福田の人権はなしってわけですか」と反論した。きのうも「仕事ぶりは遜色ない」とし、今回の疑惑で「本人が全否定されるものではない」とも強調している。

 問題をどこまで重く受け止めているのか。疑惑が報じられてからの対応には、セクハラに対する認識の低さが表れている。「女性が輝く社会」の実現に取り組むという内閣の主要閣僚とは思えない言動である。

 森友学園への国有地売却は、適正さが揺らいでいる。評価額から約8億円値引きする根拠となったごみについて「撤去費が相当かかり、トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか」と財務省理財局の職員が口裏合わせを依頼していた。

 決裁文書改ざんは理財局の一部の職員によるものとされ、当時の局長だった佐川宣寿氏が国税庁長官を辞任した。国会を欺いた重大な問題だ。職員に自殺者も出ている。あずかり知らないところで行われていたのなら、組織を掌握できていないことになる。

 交渉記録は廃棄したとの国会答弁を繰り返し、批判されていた佐川氏である。麻生氏は国税庁長官に起用し、「適材適所」と擁護し続けた。結果として長官が事実上不在となる事態を招いている。その点でも責任が問われる。

 国会では、麻生氏辞任を迫る野党の要求を与党が拒んでいる。野党6党は衆参両院で新たな国会日程の協議に応じない方針を確認した。主要野党の議員が審議を欠席する不正常な状態が続く。

 議論すべき課題は内外に山積している。このままでは実のある審議にならない。自民党内からも麻生氏を含む大幅な内閣改造の実施や、麻生氏自身の「判断」を求める声が出ている。政治家として自ら出処進退を考える時である。

(4月21日)

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