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ごみの排出 最少県長野の確立を

 長野県の県民1人1日当たりの一般廃棄物排出量が2016年度822グラムとなり、都道府県別で最も少なくなった。3年連続の全国最少である。

 県民挙げての運動が効果を上げている。家庭ごみに比べ立ち遅れている事業系ごみの削減に力を入れて、排出最少県の地位を確かなものにしたい。

 市町村別にみると川上村は303グラムで全国最少だった。南牧村、泰阜村、中川村、平谷村、阿南町、豊丘村と、南佐久、上下伊那の町村が続いた。この7町村が全国の10位以内を占めた。自家処理が多いとみられる地域である。

 長野県はここ数年、排出の少ない都道府県別ランキングで順位を着実に上げてきた。本年度からの総合5カ年計画では795グラムにする目標を掲げている。16年度実績に比べると27グラムの減。ミニトマト2個分である。

 実現の鍵の一つを握るのが事業系のごみだ。一般廃棄物は大きく生活系と事業系に分かれる。生活系は家庭のごみのことだ。事業系はオフィスの紙ごみや飲食店の生ごみなどが該当する。一般廃棄物の3分の1を占める。

 工事現場の廃材や食品工場の食物かすなどは産業廃棄物で、一般廃棄物とは別扱い。ランキングの算定基準にはならない。

 県内の生活系ごみは着実に減っているのに対し、事業系は足踏みが目立つ。数字を細かく見ると、事業系の削減で長野より先を行く県も少なくない。

 個人持ちのごみ箱を廃止し、フロアごとに統合して分別を徹底する。地域の事務所が古紙などの資源ごみを集団回収する「オフィス町内会」―。県内事業所のさまざまな取り組みが県のホームページに紹介されている。事業所の一段の努力を期待する。

 家庭ごみでも工夫の余地は少なくない。上田市や須坂市は、生ごみが入れられない「生ごみ出しません袋」を無料で配り台所ごみなどの削減につなげている。諏訪市は草専用の袋を配って堆肥に加工、庭木の剪定(せんてい)木はチップにして市民に配っている。

 観光県の長野はホテル、旅館から排出されるごみも多い。他県に比べ不利な面がある。全国最少を続けるには乾いたタオルを絞るような努力が要る。

 乾杯後の30分間とお開き前の10分間は自席で料理を楽しむ「30(さんまる)・10(いちまる)運動」は、発祥の地松本から全国に広がりつつある。3年連続全国最少の実績を踏まえ、県民の知恵をさらに集めたい。

(4月23日)

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