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草津白根山 慎重に推移を見極めて

 群馬県と長野県にまたがる草津白根山の一部、白根山の火山活動が活発化し、気象庁が噴火警戒レベルを1から2に引き上げた。

 火口から半径1キロは噴石の飛来に注意が必要な警戒範囲とされ、冬季閉鎖が解除されたばかりの志賀草津高原ルート(国道292号)が通行止めになった。山ノ内町と草津町を結ぶ観光客に人気の道路である。

 大型連休も控え、地元観光への影響は大きい。安全の確保を最重要に、今後の活動の推移を慎重に見守りたい。

 火山性地震が急増し、地殻変動も観測した。山頂には湯釜と呼ばれるエメラルドグリーンの湖があり、火山ガスの成分を含んだ水をたたえる。地下で熱水などの動きが活発化したとみられる。

 草津白根山では今年1月、白根山から南に2キロほど離れた本白根山で突然噴火が発生し、スキー場に多数の噴石が落下して死傷者が出る事態となった。

 本白根山の前回噴火は約3千年前とされ、気象庁や多くの火山学者にとっても想定外の噴火だった。観測態勢もほぼノーマークの状態だった。噴火を受けてレベルは1から3に一気に引き上げられ、現在は2になっている。

 一方、白根山は、周辺自治体も明治から昭和にかけて数多くの噴火を経験している。直近は1983年。2014年にも火山性の地震が増え、レベルが2に引き上げられた。その後静穏化し、昨年になって1に戻っていた。今回の白根山の活発化によって、どちらもレベル2になった。

 草津町や山ノ内町は、3年にわたったレベル2に伴う入山規制が昨年緩和され、観光面の巻き返しを図ってきた。

 草津白根山は、観測態勢は全国でも比較的整った火山といえる。本白根山の噴火を想定できなかったとはいえ、東京工業大が麓に観測所を置き、火山ガスの分析などで研究を重ねている。

 地元首長の受け止めは冷静だ。草津町の黒岩信忠町長は「残念だが、科学を第一に判断していく」と説明する。山ノ内町の竹節義孝町長も「安全は最優先」とした上で、万座温泉を経由すれば群馬県側との行き来ができることをアピールするとしている。

 2014年の御嶽山噴火災害では、火山情報の伝達の不備が指摘された。どんな状態にあり、どこまで近づけばどんな危険性があるのか。風評被害を防ぐためにも、気象庁や自治体は分かりやすい情報発信を追求してほしい。

(4月24日)

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