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新品種開発加速へ 県農業試験場にラボ新設

新品種の開発を加速するため新設した「高度育種研究ラボ」=須坂市新品種の開発を加速するため新設した「高度育種研究ラボ」=須坂市
 県は果樹などの新品種の開発を加速するため、須坂市の県農業試験場の敷地内に研究施設「高度育種研究ラボ」を新設した。遺伝子配列の解析により開発を効率化できる装置、短時間で数多くの果実の品質を判別できる機械などを導入。県は新施設を活用し、まずは2020年度までにブドウとリンゴで新たに1品種ずつ開発することを目指す。

 建物は鉄骨2階建てで、延べ床面積は528平方メートル。光センサーが1時間に5千個の果実の糖度や色づきを判別する機械、果汁から酸度を自動で判定する装置などを1階に設置。2階には遺伝子の配列を解析する機械や電子顕微鏡を導入する。機械装置を順次搬入しており、6月末に収穫するアンズの品質分析から本格稼働する。

 遺伝子配列の解析装置により、実がなるのを待たずに葉ができた段階で目指す品種特性を備えているかがおおむね判断できるため、開発の効率化が期待できるという。果樹のほか、米や麦などの新品種開発にも役立てる。県農業試験場はこれらの機械を組み合わせることで「優れた種子の選抜を効率化し、開発のペースを少しでも速めたい」としている。

 同試験場には新品種を研究する「バイオテクノロジー研究棟」などもあるが、大型機械の設置が難しく、手狭になっていた。他の都道府県の研究機関も新品種の開発に力を入れる中、最新設備を導入した研究施設の新設で、県内農家に合った商品価値の高い新品種の開発を加速する。

 県は、多様な環境が再現できるガラス温室「ぶどう環境制御施設」も須坂市の県果樹試験場敷地内に新設した。温室は3棟で計750平方メートル。エアコンや除湿機、ミスト(霧)発生装置などを備える。地球温暖化の影響を含め、県内の多様な栽培環境を想定した試験を行う。

 両施設とも国の地方創生拠点整備交付金を活用して整備した。建物と設備を合わせた事業費は、ラボが1億7600万円、ガラス温室が1億2千万円。

(4月25日)

長野県のニュース(4月25日)