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阿智の満蒙開拓平和記念館が5周年 沢地久枝さんと館長、都内で対談

寺沢館長(手前)と対談する沢地さん=24日、東京・銀座NAGANO寺沢館長(手前)と対談する沢地さん=24日、東京・銀座NAGANO
 下伊那郡阿智村の満蒙(まんもう)開拓平和記念館は24日、館のスタッフが出張して活動する「東京サテライト」を東京・銀座の県情報発信拠点「銀座NAGANO」で初めて開いた。25日で開館5周年となるのに合わせ、館の存在を首都圏でも広く知ってもらおうと企画した。ノンフィクション作家の沢地久枝さん(87)と寺沢秀文館長(64)が対談し、歴史を学び合う大切さを訴えた。

 沢地さんは幼少期、父親の仕事で旧満州(中国東北部)へ。高等女学校3年だった1945(昭和20)年6月、下伊那郡出身者らでつくる水曲柳開拓団で勤労奉仕をした。「水も電気も通っていない泥の家で、男は根こそぎ動員され、女子どもと老人ばかりだった。一緒に過ごした女の人たちがどうなったか戦後ずっと気にしていた」と話した。「伊那谷の片隅から世界に平和を発信する記念館であり続けたい」と意気込む寺沢館長らに、「記念館は歴史を言い伝えていく礎石になる」とエールを送った。

 首都圏の支援者ら40人余が参加。飯田市上郷黒田出身で幼少期を開拓団で過ごした北原武司さん(83)=東京都練馬区=は「中国人も開拓団も共に国策の犠牲になった。そういうことがないようにしたい」。千曲市出身の法政大3年増田小雪さん(20)は「曽祖母が残留婦人だったが、経験を語らず、むしろ中国とのつながりをコンプレックスに感じていた。『満蒙開拓』という言葉は教科書の一つの単語でしかなかったが、多くの人に知ってもらえるよう勉強したい」と話していた。

 記念館にはこれまで13万6千人が来館。5周年記念事業として増築を検討するプロジェクト委員会を設けた。「サテライト」は今後も続ける方針だ。

(4月25日)

長野県のニュース(4月25日)