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諏訪湖漁協、2年連続でワカサギ卵の出荷断念 雌の遡上少なく

諏訪湖に流入する上川でワカサギを取る渋崎採卵組合の組合員=3月31日、諏訪市諏訪湖に流入する上川でワカサギを取る渋崎採卵組合の組合員=3月31日、諏訪市
 諏訪湖のワカサギの採卵が不振に陥ったのを受け、諏訪湖漁協(諏訪市)は27日、2016年夏のワカサギ大量死の影響とみられる昨年春に続き2年連続で、他の湖沼への卵の出荷を断念すると明らかにした。流入河川へ遡上(そじょう)するワカサギを捕獲して採卵するが、今季はわなに掛かる雌の比率が極端に少なかったという。湖水に生息するワカサギの雌雄比率に異常はなく、原因がはっきりしない不漁に関係者は表情を曇らせている。

 同漁協によると、今季は今月20日までに約4億粒を確保したが、16年の26億7千万粒(受精卵換算)を大幅に下回った。諏訪湖はワカサギの卵の主な供給地で、今季も26都府県、約120カ所の湖沼などから受注したが、27日に出荷できないと伝えたという。

 資源維持のために諏訪湖に放流する分は、採卵で確保した約4億粒と他の湖沼から調達する約4億粒で賄う方針だ。

 同漁協によると、採卵のために流入河川で捕獲するワカサギの雌雄比率は例年、雄3に対して雌1。ところが、今季は雄9に対して雌が1と、極端に雌が少なかった。今月2日に湖内で調べた比率は1対1で異常はなかったという。昨年10月下旬の湖内のワカサギ数も推定1600万匹で、「例年より少なめだが採卵に支障がないレベルの数だった」という。

 同漁協は近年、カワアイサなどの水鳥がワカサギを捕食しているとし、追い払いなどの対策を取っている。27日に記者会見した武居薫組合長は、今冬の諏訪湖は結氷が1月下旬からと例年より1カ月ほど遅く、水鳥被害が増えたと指摘。採卵の不振について「鳥による食害の影響もゼロではないだろう」と述べた。ワカサギの卵は同漁協の主な収入源で、武居組合長は18年度は赤字見通しとした。

 今季、諏訪湖漁協に卵を発注したという富士山麓の西湖漁協(山梨県)は、昨季も卵を確保できずに放流を断念している。担当者は「50年以上諏訪湖から調達してきたが、採卵が安定しない。発注を大幅に減らすことも検討している」と話した。

 武居組合長は会見で、気象庁が今夏は高温少雨と予想しており、16年のような大量死が発生する恐れがあると主張。大量死は湖水の貧酸素状態が原因との見方があり、県などに抜本対策を求めた。

(4月28日)

長野県のニュース(4月28日)