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伊那の中尾歌舞伎、あす1年半ぶり復活公演

公演に向けて熱心に稽古をする中村さん(左)ら=26日夜、伊那市長谷公演に向けて熱心に稽古をする中村さん(左)ら=26日夜、伊那市長谷
 伊那市長谷に古くから伝わる中尾歌舞伎(市無形民俗文化財)の保存会が、29日にある約1年半ぶりの「復活公演」を成功させようと、稽古に励んでいる。高齢化や演者の減少などを理由に活動を休止したが、「また見たい」と願う声を受け、再開を決めた。26〜28日は公演会場となる同市長谷の「中尾座」で、連日の通し稽古に臨んでいる。

 中尾歌舞伎は江戸時代に旅芸人が伝えたのが始まりとされる。戦争の混乱で活動は途切れたが、地元青年会が1986(昭和61)年、村の活性化を―と上演し、好評を博した。89年に保存会ができ、毎年春と秋に上演してきた。

 現在の会員は約30人。全員が仕事と掛け持ちで、勤務後に練習している。これまで役者や大道具、会計など全ての業務を会員が担ってきた。ピーク時に40人ほどいた会員が減ったのは、その負担が大きかったことが理由の一つ。今後、負担を軽減するため、化粧や公演運営などを担う後援会組織が設立される予定だ。

 29日に上演するのは「御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち)弁慶上使(じょうし)の段」。保存会が最も多く披露し、2014年3月に95歳で亡くなった中尾歌舞伎の「師匠」の西村清典さんが好んだ演目だ。平家から嫁いだ妻の首を差し出し忠誠を示せ―と源義経が兄頼朝から命じられ、部下の弁慶が自分の娘を身代わりにするという粗筋。26日夜は、清典さんの長男で保存会代表の西村篝(かがり)さん(63)、弁慶役の中村徳彦さん(58)らが所作などを確認。通し稽古のビデオを見返す役者もいた。

 篝さんは「中尾歌舞伎を次の世代につないでいきたい」。中村さんも「続けることに意義がある。素人なりの芝居を楽しんでもらえたらいい」と話した。午後1時半開演。前座で伊那市長谷小学校児童が地元に伝わる民話「孝行猿」を上演する。入場無料。

(4月28日)

長野県のニュース(4月28日)