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中尾歌舞伎 復活の熱演 伊那市・長谷

役者たちの熱演に大勢の観客がおひねりを投げた中尾歌舞伎の復活公演=29日、伊那市長谷の中尾座役者たちの熱演に大勢の観客がおひねりを投げた中尾歌舞伎の復活公演=29日、伊那市長谷の中尾座
 伊那市長谷に古くから伝わる中尾歌舞伎(市無形民俗文化財)の保存会は29日、約1年半ぶりの「復活公演」を地元の中尾座で開いた。役者の減少などを理由に活動を休止したが、再開を願う声や「歌舞伎のともしびを消したくない」との会員の思いから再び公演。過去最多の約400人が来場し、演じきった役者に大きな拍手を送るとともに、次々とおひねりを投げた。

 演目は「御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち)弁慶上使(じょうし)の段」。弁慶は、仕えている源義経の妻の首を差し出すよう源頼朝から命じられ、身代わりの女性の命を奪うが、実は女性は弁慶の娘だった―という粗筋だ。弁慶役の中村徳彦さん(58)=伊那市長谷中尾=が無念さで泣く場面では「よっ、中村屋!」などと掛け声が飛んだ。

 保存会は近年、役者や公演運営の負担の重さから会員が減り、活動休止につながった。今後は活動を支える後援会組織やファンクラブが設立される予定で、この日は地元の長谷中学校の生徒たちが、欲しい応援グッズなどを来場者に尋ねるアンケートをした。

 保存会代表の西村篝(かがり)さん(63)は「大勢の協力で再開できた。中尾の心意気を次の世代につなぎたい」。中村さんの恩師で元高校教諭の真田功さん(65)=塩尻市=も来場し、「洗練されて味のある芝居だった。教え子の晴れ姿を見られてうれしい」と話した。前座では伊那市長谷小学校の児童が地元に伝わる民話「孝行猿」の劇を上演した。

(4月30日)

長野県のニュース(4月30日)