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満蒙開拓紙芝居 松本・梓川高生が製作

紙芝居のシナリオの読み合わせをする梓川高校の生徒や満蒙開拓経験者ら=2日夕、松本市紙芝居のシナリオの読み合わせをする梓川高校の生徒や満蒙開拓経験者ら=2日夕、松本市
 松本市波田の梓川高校2年3組の生徒が満蒙(まんもう)開拓の歴史を紙芝居にする地元住民とのプロジェクトで、住民への聞き取りを基にしたシナリオの初稿が出来上がった。2日夕は初稿を同地区の住民らと読み合わせし、意見を聞いて手直しする部分を確認。7月の同校文化祭でお披露目し、8月に満蒙開拓平和記念館(下伊那郡阿智村)でも発表することを計画した。

 シナリオは、満蒙開拓を経験した地元の倉科昭一さん(86)、三村修一さん(85)の体験談を基に製作。物語は、高校生たちが沖縄への修学旅行を前に戦争について調べる中、地元に満蒙開拓の歴史があることを知ることから始まる。終戦後、開拓団員らが満州から引き揚げる際の苦難を極めるさまなどを描き、「二度と戦争が起こらないよう考えていくことが大切」と締めくくる。

 2日の読み合わせには生徒と、倉科さん、三村さん、地元住民ら約30人が参加。生徒はシナリオを読みながら、倉科さんらに「引き揚げ中に流行した病気の症状を覚えていますか」などと質問。答えをメモに取り、「満蒙開拓が国策だった背景を入れるといい」といった助言を受けた。

 6月上旬にはシナリオをほぼ完成させ、住民に再度、聞いてもらう予定。古幡彩那さん(16)は「詳しく分かりやすくなるよう、さらに考えたい」とした。三村さんは「若い人たちが作ることで勉強になる。後世に残るいいものにしてほしい」と願った。

 波田地区は戦前戦中に260人余が満州に開拓団などとして渡ったとされる。地区の歴史を紙芝居で残そうと、昨年11月にプロジェクトを発足し、同校も参加した。

 満蒙開拓平和記念館は、開拓団が直面した敗戦直前の8月9日の旧ソ連侵攻後の混乱と悲劇の歴史を踏まえ、毎年、ソ連侵攻日に近い8月11日に「鎮魂の夕べ」を開いている。生徒らはこの日に紙芝居を披露したい考えだ。

(5月4日)

長野県のニュース(5月4日)