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坂城の都筑製作所、航空宇宙分野に参入

精密加工を得意とする都筑製作所の丸子工場。航空宇宙関連部品の受注拡大を目指す精密加工を得意とする都筑製作所の丸子工場。航空宇宙関連部品の受注拡大を目指す
 自動車部品、建設機械部品製造の都筑製作所(埴科郡坂城町)は、航空宇宙分野に参入した。同分野の品質管理規格「JISQ9100」を取得し、飯田下伊那地域を中心とする航空機部品の共同受注グループ「エアロスペース飯田」に加入。高精度な金属加工技術を生かして航空宇宙関連の受注を獲得し、新たな事業の柱に育てる。品質管理などに求められる厳しい基準を既存事業にも応用し、技術力を底上げする効果も狙う。

 JISQ9100は昨年11月に丸子工場(上田市)の一部で取得。エアロスペース飯田を通じてロケット向けの部品加工を受注し、納品した。実際の航空機部品と同じ材料、図面を使って部品を試作し、発注元のメーカーに技術をアピールするトライアルにも参加している。

 都筑製作所はホンダの乗用車向けに、足回り部品の「ナックルアーム」や変速機に組み込むシャフトなどを製造。建設機械大手のコマツの建機向けに、油圧を生み出すポンプや油圧を制御するバルブなどを供給している。2018年3月期の売上高(単体)は約170億円の見通しで、自動車部品と建機部品がほぼ半分ずつを占める。

 自動車部品はタイとインドネシアに設けた生産拠点で日系メーカーの現地調達の需要に応えているが、国内販売は伸び悩みが見込まれる。建機部品は景気によって需要の増減が激しい。長期的な経営安定化に向けて新分野への進出を模索し、精密加工・組み立てなどの得意技術を生かせる成長産業として航空宇宙分野への参入を決め、16年夏から準備を進めてきた。

 航空宇宙関連の部品はミクロン(1ミクロン=千分の1ミリ)単位の精度が求められ、設備や治工具の管理、工程の確認や検証などにも厳しい要求がある。栗田有樹社長は「新たな仕事を獲得するだけでなく、水準の高い品質管理を会社全体に浸透させ、作業のレベルアップを図りたい」とする。

 航空宇宙分野で安定した受注を得るには時間がかかるとみており、腰を据えて技術開発などに取り組む方針だ。栗田社長は「航空宇宙の仕事に関わることは、技術力のアピールにもなる。こんなこともできると言える開発提案型の企業に転換し、自社のブランドを確立したい」としている。

(5月8日)

長野県のニュース(5月8日)