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国民民主党 基本政策の練り直しを

 希望の党と民進党が合流し、新党「国民民主党」を結党した。

 両党で計107人いた国会議員のうち、新党に参加したのは62人にとどまった。

 背景には、新党の基本政策で安全保障関連法に対するスタンスを曖昧にしたことがある。

 安保法に対し「違憲と指摘される部分を白紙撤回することを含め、必要な見直しを行う」と記述した。どの部分の白紙撤回を求めるか不明確で、全体としては容認しているとも受け取れる。

 安保法に批判的な議員には「言葉遊び」などと不信が高まった。一方で容認する立場の議員は白紙撤回の表現に不快感を示した。

 両党の議員には安保法に対して多様な意見がある。多くの議員を新党に取り込もうと「玉虫色」の表現にしたことが離反を招いた。

 国会で野党が安倍晋三政権の不祥事を追及している最中に、新党結成を急いだ両党の執行部に対する批判もある。

 希望は、昨年の総選挙前に民進党から分かれてスタートした。徹底した議論もなく再び結集する理由が国民には分かりにくい。

 旧民主党は、安全保障や原発など基本政策で異なるスタンスの議員が混在して内部対立が激化し、身動きが取れなくなった。基本政策が生煮えのまま、新党結成を急いだ結果、同じ轍(てつ)を踏む可能性も否定できない。

 基本政策を再度、議論して、所属議員が納得できるよう練り直す必要がある。

 安倍政権は森友学園や加計学園問題など疑惑や不祥事が相次いでいる。政府は真摯(しんし)に対応せず、強引な手法を続けている。野党の力不足がその一因になっていることは否めない。

 立憲民主党の枝野幸男代表は安保法が容認した集団的自衛権行使に明確に反対しない限り、新党との深い連携は困難、との認識を示している。

 民進党から新党に参加しなかった議員は無所属で活動したり、立民に入党したりするなど対応はさまざまだ。

 野党勢力が分裂したまま来夏の参院選を迎え、与党が漁夫の利を得ることになりかねない。

 この国会では野党6党が安倍政権の疑惑追及で足並みをそろえ、関係者の合同ヒアリングなどの実績を積み重ねた。こうした協力関係を足掛かりに、政権批判の受け皿をつくることが必要だ。国民民主が基本政策を明確にすることを前提に、他の野党もどこまで連携できるのか模索してほしい。

(5月8日)

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