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国会正常化 熟議へ与党の重い責任

 国会は野党が審議に復帰し、19日ぶりに正常化した。内外に課題は山積している。空転を続けるときでないのは明らかだ。

 相次ぐ不祥事の解明に加え、重要法案の徹底した審議が求められる。行政をチェックする国会の役割を果たさなくてはならない。とりわけ与党の責任は重い。政権党とはいえ、ただすべき点は厳しくただす必要がある。

 加計、森友問題や財務事務次官のセクハラ疑惑といった不祥事を受け、野党6党が欠席を続けていた。野党側は麻生太郎財務相の辞任や柳瀬唯夫元首相秘書官らの証人喚問などを要求したものの、与党が拒否したためだ。

 柳瀬氏を10日に参考人招致することでようやく折り合った。安倍晋三首相が出席する集中審議を複数回開催することや、18日をめどに森友学園に関する財務省の改ざん前文書を提出することなども申し合わせている。

 野党が欠席を続けたのでは政権を追及できない。審議復帰に転じたのは当然である。

 政権を巡る数々の疑惑、問題について事実関係を明らかにしなくてはならない。差し当たっての焦点は柳瀬氏の招致だ。官邸で面会した愛媛県職員の作成した文書が残っていた。その際、加計学園の獣医学部に関して「首相案件」と発言したとされる。

 解明を尽くす考えなのか、与党の姿勢には懸念がある。柳瀬氏だけでなく、八田達夫大阪大名誉教授の招致を持ち出したからだ。国家戦略特区ワーキンググループの座長として手続きの正当性を主張している八田氏を招致することで首相を擁護したいのだろう。

 県職員らとの面会について記憶がないとしてきた柳瀬氏は、加計関係者と面会した事実を認める方向とされる。何のために会い、どんなやりとりをしたのか。納得のいく説明が聞けなければ、与党は証人喚問を受け入れるべきだ。幕引きを急いではならない。

 6月の会期末をにらみ、与党は法案の審議促進を狙う。乱暴な国会運営が心配だ。政権が最重要と位置付ける働き方改革関連法案は一部専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の影響をはじめ、掘り下げるべき点が多い。

 野党は高プロの創設を法案から削除するよう主張している。立憲民主党と国民民主党はそれぞれ対案を提出した。審議入りしている政府の法案と一括で議論するよう求める方針だ。与党の数の力によるごり押しは許されない。

(5月9日)

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