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外国人の受診、安心の拠点 松本・相沢病院に甲信越で初の国認証

相沢病院の看護師で中国語通訳の若林さん。若林さんを含め、4人の通訳が外国人に対応している=松本市の同病院相沢病院の看護師で中国語通訳の若林さん。若林さんを含め、4人の通訳が外国人に対応している=松本市の同病院
 国が創設した「外国人患者受(うけ)入れ医療機関認証制度」で、相沢病院(松本市)が県内で初めて認証医療機関になった。甲信越地方でも初。訪日観光客らが増える中、県内でも外国人が安心して受診できる態勢づくりをさらに進める。

 相沢病院の認証は3月13日付で、昨年6月に申請していた。来院する外国人患者は欧米や中国が多く、年間500人弱。認証を受けることで、外国人が受診しやすい態勢が整っている病院として存在感を高めたい考えだ。認証医療機関は全国で41となった。

 相沢病院は2010年、院内に国際課を新設して外国人患者への対応を強化してきた。増加する訪日観光客への対応が求められていたことや、人口減少社会の中、今後、日本人患者の減少が見込まれることが背景にあるという。

 国際課を開設した当初、英語、中国語にそれぞれ堪能な常勤職員を1人ずつ、計2人を配置したが、1人ずつ増やして昨春から計4人態勢にした。外国人患者が窓口や診察室に行く際に付き添っている。また、診療申込書、診断書、入院案内といった書類は英語と中国語の2種類を用意。入院中の食事は、事前にアレルギーや宗教上の理由で食べられない物を把握して除いている。

 外国人患者が適切に治療を受けるには、言葉による意思疎通が重要になる。相沢病院の看護師で、中国語通訳を担当する若林晶瑩(しょうえい)さん(33)=中国出身=は「ちゃんとした通訳がいないと、難しい医療用語を理解できずに、結局『医師の話が分からなかった』というケースがよくある」と課題を指摘する。専門の通訳がいる相沢病院を訪れる患者は増えており、通訳の依頼件数は、17年度が532件。5年前の12年度(95件)からは5倍以上になった。

 相沢病院は昨年、日本への渡航受診を希望する海外の患者に対応する「ジャパン・インターナショナル・ホスピタルズ」(日本国際病院)にも選ばれた。政府は「医療ツーリズム」で来日する海外の富裕層らを呼び込み、日本の医療の国際的な評価を高めて経済成長につなげようとする。

 国際課の熊崎博司課長(45)は「最新医療を求めて中国から病院を訪れる人も目立つ」と説明。同病院は県内で唯一、先端的ながん治療とされる陽子線治療を実施している。国内でも十数カ所に限られ、治療費は約300万円と高額になる。だが、海外からの患者数は15年度2人、16年度3人、17年度6人と増加傾向にある。

(5月10日)

長野県のニュース(5月10日)