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〓いつもの帰り道 学校の帰り道…。小学生の合唱曲「帰り道」(若松歓(かん)作詞作曲)はこんな歌い出しで始まる。けんかした友だちと仲直りして見ていた夕日。この街で育ち出会えた喜び。帰り道ゆえの思いがぎゅっと詰まっている歌だ

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長い長い学校の授業が終わり、ほっとする時間でもある。家に帰って何をしようか考えれば、わくわくして足取りも軽くなる。それが不意に断ち切られた。新潟市西区の小学2年大桃珠生(たまき)さんの「いつもの帰り道」である。何者かによって連れ去られた

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他の場所で命を絶たれた後、帰り道沿いの線路に置き去りにされた。そこに列車が通過した。母親の届け出を受け県警が捜索していたその夜のことである。自宅では両親と兄が「ただいま」という元気な声を待ち望んでいただろう。現場と自宅は目と鼻の先だ。あまりにもむごい

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学校の帰り道に起きる事件が絶えない。被害者の多くは小学1年から2年の女児だ。2005年、栃木県今市市(現在の日光市)で男が小1女児を連れ去り殺害した事件や今回のように、友だちと別れた後に一人で歩いているところを犯人は狙っている

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事件当日、珠生さんは朝の通学途中に男から声を掛けられたと学校で話していたという。事件の「前兆」だった可能性もある。何か打つ手はなかったのか。13日は母の日。珠生さんはお母さんに感謝をどう伝えようと考えていたのだろう。家族の幸せを断ち切った犯行に憤りを禁じえない。

(〓は歌記号)

(5月10日)

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