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日中韓会談 非核化へ連携を強めねば

 東京で開かれた日中韓の首脳会談は、北朝鮮の非核化を巡り連携をアピールする一方で立場の違いも浮かび上がらせた。

 北東アジアの平和と安定を図るには、3カ国の協力が欠かせない。中韓両国との関係改善を着実に進める時だ。

 3カ国会談は2015年11月にソウルで開かれて以来、2年半ぶりになる。1999年に初めて行われ、08年から12年までは毎年開催された。ようやく3首脳が顔をそろえたことは意義がある。

 中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領はともに就任後初めての来日だった。韓国大統領の来日は約6年5カ月ぶり、中国首脳は約7年ぶりである。今度の会談を機に、首脳の相互往来が進むことを期待する。

 6月に見込まれる米朝会談を前に、各国の動きが活発化する中での開催だった。

 3首脳の共同宣言は「朝鮮半島の完全な非核化に取り組む」と明記した。国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議に従った国際的協力と包括的な解決によって北朝鮮の明るい未来が開けると強調している。南北首脳の板門店宣言を評価する共同声明も出した。

 半面、中韓両国との隔たりも見て取れる。共同宣言は非核化や歴史を巡る文言の調整が難航し、発表が深夜にずれ込んだ。日本が掲げる「完全かつ検証可能で不可逆的な方法での非核化」との表現は入っていない。

 日本は圧力を維持し、短期間で実現することを主張している。段階的な非核化と見返りには応じるべきでないとの立場だ。中国は段階的な見返りに理解を示し、韓国も対話を重視する。結束して北朝鮮に行動を迫れるよう、一致点を探っていく必要がある。

 北朝鮮と首脳対話を進める中韓両国に対し、糸口をつかめない日本の苦しさもにじむ。安倍首相は拉致問題の早期解決に向けて協力を要請し、日本の立場に理解を得た。いつまでも他国頼みではいられない。直接交渉へ、努力を重ねなくてはならない。

 日中首脳会談では、自衛隊と中国軍との不測の事態を避けるために「海空連絡メカニズム」の始動で合意した。6月8日に運用を始める。防衛当局の幹部間にホットラインを開設するほか、局長級の年次会合などを開く。

 沖縄県・尖閣諸島を巡る主張の違いから地理的な適用範囲の規定は設けなかった。ようやく枠組みができたにすぎない。機能するよう細部の詰めを急ぎたい。

(5月11日)

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