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農業委処分で市を提訴 上田の地権者ら

 農地の賃貸借契約の解除を許可しない上田市農業委員会の処分を不服として、同市武石地域の地権者らが10日までに市を相手取り、処分取り消しを求める訴訟を長野地裁に起こした。25日に第1回口頭弁論が開かれる。市農業委によると、農地の賃貸借契約の解除は当事者間の合意によるものが大半で、農業委が契約解除の判断に関わったり、判断をめぐる訴訟を起こされたりする事例は少ないとしている。

 訴状などによると、同市武石上本入の高台に計約6ヘクタールの農地を持つ地元地権者ら10人が2007〜08年、市内の農業法人との間で農地の賃貸借契約を結んだ。その際、農地法に基づき市農業委が賃貸借契約に必要な許可を出した。

 地権者らは17年6月、農業法人による借地料の滞納や、臭いの強い肥料などが持ち込まれたことが、信義に反する―などとして賃貸借契約を解除するための許可を農業委に申請。農業委は農地法に基づき、地権者、法人側から意見聴取した上で同11月、許可しない処分を出した。

 市農業委事務局は取材に「国、県の助言なども参考に検討して、法人側に信義に反する行為は確認できなかった」と説明。「弁護士と相談して対応する」としている。

 農地は現在、農業法人とは別の事業者が野菜づくりをしている。これに対し農業法人側は事業者に農地の明け渡しを求めて地裁上田支部に提訴し、係争中だ。

 地権者側の1人は「法人との契約を解除し、事業者と正式に契約できるよう農業委の処分は取り消してほしい」と主張。農業法人の代理人弁護士は「契約の解除許可が出ないことを望む」としている。

(5月11日)

長野県のニュース(5月11日)