長野県のニュース

小2女児殺害 通学路の安全みんなで

 小さな後ろ姿を見送る父母の多くが、毎朝不安な気持ちに襲われているのではないか。

 新潟市で小学2年生の女児が遺体で見つかった。下校中に連れ去られ、殺害されたとみられる。

 通学中の子どもが犠牲となる事件が繰り返された。登下校の安全をどうしたら確保できるか。問い直さなければならない。

 女児が下校したのは午後3時ごろ。自宅近くの踏切を渡るまでに友人と別れた。「娘が帰ってこない」。母親は4時20分ごろに学校に連絡した。県警が100人態勢で捜していた10時半ごろ、列車にひかれた状態で発見された。遺体の状態から、ひかれる前に首を絞められたとみられる。

 事故に見せかけて発覚を免れようとしたのか。卑劣な凶行に怒りが募る。家族の悲しみを思うと言葉が見つからない。

 この日の朝、女児は、不審な男に追い掛けられたと友人に話していた。同じ学校の女子児童が男に体を触られるなどの情報が昨年も出ていた。情報を生かせなかったのか。検証が必要だ。

 通学中の子どもが狙われる事件は後を絶たない。2004年には奈良市で、05年には広島市と栃木県今市市(現日光市)で、いずれも小1女児が男に連れ去られて殺害された。昨年3月には千葉県松戸市で小3女児が殺害され、通っていた小学校の保護者会長の男が逮捕された。

 学校は対策を重ねている。文部科学省の調査では15年度、小学校の99%が通学路の危険箇所の点検を実施、子どもたちに安全マップを作らせた学校も半数を超えた。

 学校だけでなく地域で見守ることの重要性も指摘されている。支えるのは住民ボランティアだ。

 松戸の事件では、防犯を担う立場の人物の逮捕に衝撃が広がった。見守り活動の萎縮が心配される中、意義を見つめ奮起するボランティアもいた。長野県内でも事件を機にボランティアと子どもたちとの信頼関係を強める取り組みを進めたPTAと学校があった。いま一度、地域で顔見知りを増やすことの重要性を確認したい。

 通学路で子どもが1人になるケースを完全になくすのは難しい。日々の活動を通じて保護者、学校、地域住民が情報共有を密にすることで犯罪の入り込むすきを減らしていくことが安全に近づく。

 危険を察知し、実際に逃げることができる知恵を子どもたちに伝えていくことも重要だ。普段から親子で話し合えているか。家庭でも改めて考えたい。

(5月12日)

最近の社説